〈南三舎通信No.11〉  七八年四月十九日

▼春闘に向けて
 私の場合は、南三舎に隔離分断されているために、他の仲間たちとは異なる特殊な状
況があります。奴らはこの“隔離”という状況を最大限利用して、集中的なイヤガラセ
暴行等を加えてきている一方で、すでに“隔離”しているという“安心感”から、一定
程度“放任”しているということ。それは毎日の執ような正座点検の強要や、十二・二三
弾圧にみられるようなむきだしのやりたい放題の暴行凌虐がある一方で、他の舎房にい
れば直ちに保安房への“カクリ”として奴らが弾圧してくるようなアピールを実質的に
かちとっていることなどです。奴らの弾圧の主な目的は他の獄中者から斗う獄中者を隔
離することによって斗いの波及を防ごうとすることと、斗う獄中者に対して暴力的報復
によって、その斗いをやめさせようとすることにあるわけですが、前者については、私
を南三舎から女区の保安房へ強制連行すれば、むしろ南三舎にとじこめているだけより
も、より斗いの存在をアピールする結果になるだけであり、タンカをもち出し、暴力団
を何人もひきつれて大騒ぎしても、それだけの効果がないと考えているのでしよう。又

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後者については弾圧を肥やしに! の精神で斗っている獄中者には、何の役にも立たな
いわけですから、すでに隔離してある者をただ懲しめのためだけに隔離するのをそう毎
日やっていられないということであると思います。このことを奴らは、検察官への回答
書(※注)なるものの中で「荒井を女区に戻せば、直ちにそして毎日、保安房にぶちこ
まざるをえなくなる」というようなことを言って暴露しています。従って私はこの弾圧
状況を最大限“武器”として活用していけるような斗いをまず追求しています。つまり
私の場合は、ある程度「自由に」アピールが可能な“特権”を有しています。しかし、
私の声の届くところにいる仲間たちというのは、みな「受刑者」であり、私の場合は、
「未決」獄中者にのみ適用するようなスローガン、要求項目はあまり意味がないのです。
東拘には二千人位の「未決」獄中者に対して、せいぜいその10%程度の「既決」獄中者
しかいません。が、だからといって「既決」獄中者に対する獄中者組合の働きかけを軽
視してよいということはありません。具体的に目に見える形で結集はできなくても、「既
決」の仲間は「未決」の仲間に比べて、より厳しい抑圧状況のもとにあり、獄中者間の
差別分断支配もより厳しいとはいえ、ある程度仲間同士の交流も可能であり、奴らの目
に見えないところでの「地下工作」が可能な状況にあります。いまだ、そのような斗い

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をつくり出しえていない我々の力量不足を克服していく第一歩として、今春斗において
は、要求項目を未決獄中者に関するものだけでなく、既決獄中者にも適用しうるものに
普遍性を持たせるということを提起したい。
 基本的には七七年秋斗のものを受けつぐが、「日・祭日の面会を認めろ」「手紙の発
信回数の制限をやめよ」というようなものは、「すべての獄中者に、毎日必要十分なだ
け面会する権利を保障せよ」「すべての獄中者に自由な手紙の発受を認めよ」という風
に改め、これだけでは抽象的というのであれば、その後に「日祭日〜」等の具体的項目
を加えるという風にしてはどうか。
 その他に「獄中者を奴隷化し差別分断支配する累進処遇制度の撤廃」「裸検身、軍隊
式行進、軍隊式号令、整列等の撤廃」を追加する。裸検身は「未決」でも入所時に行な
われている。保安房へのぶちこみに際しても行なわれている。軍隊式行進、号令、整列
については、私自身が毎日イヤというほど見聞し、そのたびに怒りがこみあげてきてい
る。あとは「電灯のスイッチを房内にとりつけろ」というのを追加。これは、獄中者は
「食って寝ていればいいのだ」という奴らの獄中者に対する非人問的処遇のひとつの現
われとしての九時就寝という“非常識”な強制を粉砕し、「社会性」を奮い返すため。

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「獄中医療」について、「無料のメガネ」の項に「入れ歯」を追加する。
注※ 南三舎への隔離について法廷で糾断し、検・裁へ厳重に注意したことに対し
   検が拘に紹介請求を行なったもの。

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