近 況 報 告    七七年五月九日

▼むしり捨てる花はあっても、獄中者にやれる花はない。

ゆきちゃんが、歯科治療(女区の事務所の二階)に行った帰りに草をつんできました。
(実際は桜の葉)女性看守が二人と、(ヌリツブシ)が房の前で「草を持って入っては
ならない」と力づくでそれをとりあげょうとし、「なぜ草を持って入っちやいけないの
か説明せよ」との要求に対しては「規則だ」「あなたは収容者、私は看守」「いけない
ことになっている」で押し問答。草を持ったまま入ろうとするゆきちやんを「捜検をし
ていないから」房に入れずに「手をひらけ。何を持ってるか」とわめきちらす。断乎追
及すると、カメレオンは暴力団を呼びに電話をかけに行き、しばらくして女区長がやっ
てきた。奴も同様「そういう規則になっとるんや」「ガキみたいなこというな」等いう
のみで何ひとつ答えず、最後には、捜検(握っている手を開かせる→もっている草をと
りあげる)ことをせずに「いいから、入れ」。草を持って入ろうとしたら、房内に入れ
ようとせず、房外で抗議したら、草をもったまま「入れ」!?……「ということは、これ
から草を持って入ってもいいということか?」今度は、こう質問するゆきちやんを奴ら

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は四人がかりで、力づくで房内に押しこんだ。私はゆきちゃんの次に歯科治療に行き、
その帰りに「ヒメジョオン」を二本摘んできた。丁度、仲間たちが草刈りの仕事中であ
り、そのヒメジョオンも、当然刈られる運命にあったのである。すると(ヌリツブシ)
看守が腕づくでとりあげようとかかってきた。が、1:1では圧倒的に私の方が強い。
南舎の入口(ここは外)にきたら、(ヌリツブシ)にカセイして(ヌリツブシ)看守が、
腕をねじりあげて花をむしりとり、奴らは二人で花をひきちぎつて地面にすてた。
「なぜいけないのか、理由を説明せよ」「そうやってむしりとってすてる花を、獄中者
が房内に飾ろうとするのがなぜいけないのか」「捨てる花はあっても、獄中者にやれる
花はないというのか」と抗議すると、「そうだ」「規則だ」「持ちこみはダメだ」とい
うのみ。(ヌリツブシ)もやってきて、グダグダとやりあうこと一時間半以上。(ヌリ
ッブシ)は「総理大臣じやあるまいし」などとホザク。「総理大臣」ならばどうだとい
うのか? 角栄や大久保の獄中生活がわかろうというものではないか。最終的には「六
法に書いてある」「顧箋を出せ!」そうやって南舎の入口で奴らとやりあっていると、
仲間たちがその入口近くまで草刈りにやってきた。すると奴は、あわてて入口のガラス
戸を閉め(もちろん腕づくで抵抗したが)けんめいになってガラス戸をおさえている。

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奴らは最後には、女区長と二人のカメラマンをひきつれてきて、私を房に押しこんだ。
私の手の中にはひきちぎられたヒメジョオンの茎の部分だけ残っていたのだが、それを
奴らは持って入ってはダメだといって、とりあげようとしていたにもかかわらずである。
ドアに足をはさんだり、房の前で芝居をしたり、相かわらずのペテン劇をひとくさりや
つて、あやちゃん、ゆきちゃんのところまで、撮影していった。奴らは、この頃ものす
ごくカメラが好きになったらしく、何かというとすぐにカメラマンがとんでくる。暴力
で弾圧をすることがマズイと思うにいたり“やり方”を変えたのだ。
 毎日毎日、奴らは今、ドアを開けようともせず(否、むしろカギをはずした後必死で
ドアをあけさせまいと押さえている)“点検”とやらをやっている。ついこの前までは、
力づくでドアをひっばって、ほんの2〜3cmすきまをあけて「おまえたちの点検とやら
は、ドアをあけることなのか」との問いに「ソーダ」などといっていたのに!
 禁止のための禁止、強制のための強制……理由などなく、ただただ人間としての自由
を奪うためだけに、奴隷となることを確認するためだけに,行なっている奴らのやり口
とは、常にこうなのだ。そして「説明せよ」といえば、「規則だ。東京拘置所でそう決
めている」「ふつうの常識」とホザク。「雑草を摘むなどということは普通の人ならし

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ない」と今日も奴はいった。
 今日入浴日だったが、「入浴の時男看守は出ていけ」との抗議に対しても、(ヌリッ
ブシ)は平然と居坐っている。私は、風呂からあがったとき、ランニングシヤツ1枚で
浴室から出た。するとすぐに(ヌリツブシ)がきて、ギャアギャアいう。こういうこと
が決して許されていいハズはない。 ハレンチ男看守を南三舎一階から追放しなければ!
                            では、また。  まり子

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