緊 急 連 絡     七七年六月六日

 六月三日より、六月六日現在まで、女性三人保安房にぶちこまれ続けています。今や
っと便せんとボールペンが入り、この手紙を保安房の中で書いています。至急面会に来
て下さい。→六月六日、PM2時半頃、三人とも帰房しました。
▼六月三日、AM10時頃、三十分間の運動終了後、私は「きのう,午後からは雨があが
ったのに、午前中雨が降ったということで、運動の権利を奪われた。女区では、午前中
雨が降って運動中止になった場合でも、午後から晴れれば、午後から運動をさせていた。
この間は、浴田さんの運動を看守の職務怠慢でやらせなかった時、次の日にその日の埋
めあわせとして、彼女に一時間の運動をやらせたではないか。きのう運動をさせなかっ
たのは、明らかに看守の職務怠慢であるから、今日、昨日の分も運動をする。」と言っ
て、運動を続けていた。すると、女区主任と(ヌリツブシ)看守が運動場に入りこんで
きて、私の運動の妨害をし、腕をひっばり、外にひきずり出した.カメラマンと目玉グ
リグリの大柄看守がやってきて、記念撮影の後、私を地面に叩きつけてころがし、大柄
デブが私の上に乗っかってきておさえつけた。私の抗藷の声を開いて、あや、ゆきちゃ

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んも抗議の声をあげているのが聞こえる。私は土の上にころがされ手足をおさえつけら
れたうえ、ゴリラのような看守に上から乗っかられているので身動きがとれず、ゴリラ
にむかってツバを吐きかけてやる。その頃、女区長が先頭になって暴力団四、五人やっ
てくる。女区長は例の如くうすら笑いをうかべて、私の腕をねじりあげ、「よし隔離し
ろ!」などと命令している。私は奴のツラめがけて、ツバを吐きかけた。すると奴は、
直ちに私の顔めがけてツバを吐きかえしてよこし、「コノヤロー!コイツの服でふいて
ゃる!」と私のTシャツをめくって胸をはだけたうえで、そのTシャツで奴にかかった
ッバをふくという凌辱行為を働いた。東アジアの女性に数限りない凌辱行為を行なった
日本軍の姿を私は奴の中にはっきりと見た。私の運動をやめさせ、次の者に運動をさせ
るという奴らの言葉どおりの「処置」をするならば、すぐそこの(ヌリツブシ)の元房
に返せばいいのであって、わざわざはるかかなたの女区保安房まで拉致する必要は一切
ないはずである。まして私は、天候の許すかぎり戸外運動を行なわせること、監獄法で
すら認めている、独居拘禁者の一時間の運動の権利を主張するという、まったく正当な
ことを行なっているにすぎないのである。看守の恣意的な報復弾圧であることはあまり
にもミエミエである(保安房への隔離はすべてがそうであるが)。奴らは、保安房の中

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に泥靴であがりこみ、私を床にころがしフトンむしにした後、引きあげていった。ドア
を蹴って抗議し、チリ紙と生理用ナプキン、タオルを要求していると、しばらくしてゆ
きちやんの「暴カヤメロ!」という声が聞こえてき、彼女も拉致されてきたことを知る。
続いて三十分後、あやちやんの声がきこえてくる。二人とも強制連行されてきたのだ。
あやちやんは隣の房らしく、何とか声がきこえ、経過報告と現状確認を何とか行なった。
奴らの対応ぶりから見ると、この強制隔離は計画的だったようだ。来たる獄中獄外統一
春闘に対する予防弾圧(房内捜検、フェンスのこわれ、食器口が自由自在に開閉できるよ
うになったのの改悪修理、統一行動日に対する予防隔離)である。チリ紙、ナプキンは要
求後、何時間かしてやっと入る。昼食頃までには石けん(化粧石けん、洗たく石けん、
石けん箱)歯ブラシ、歯ミガキ粉、タオルも入る。昼食はふつうのお弁当、やかん、食
器、はしできたので、房内に入れさせる。女区長のツバのかかったTシャツは、気持ち
が悪いので直ちに洗たく。Tシャツの背中は泥と草の汁がこびりついて、いくら洗って
もとれない。午後に、H・Kさんより、クッキー一箱、夏みかん一個、古川の父より夏
みかん二個の差入あり、古川の父より便せん、切手、ハガキが差入になっているのに房
房内には入れないという。民事二部より「口頭弁論期日呼出状、分離決定書」なるクソ

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いまいましい書類が届く。私の呼出は七月七日だという。このような不当な分離策動に
は絶対応じられない! 夕方、夕食だから食器を出せといってきた看守に中味の入ったま
まの食器を投げつけてやる。奴らは「キチガイ!」と叫び(強制連行の途中も奴らはず
っと「キチガイ」といいつづけてきた)食器口から、再び食事を投げつけてよこした。
昼〜夕の間に食器口のフタはとれてしまい、トイレの囲いのプラスチックと木もこわれ
てしまっていた。五時頃、ふとんを入れに暴力団がドヤドヤときて、私を布団で押し倒
したうえ、扉を閉める。「もとの房に返せ!」と抗議をしていると、奴らはアチコチの
のぞき穴からのぞき込んでいる。私はトイレに行き、「トイレだから、男どもがむこう
へいけ! トイレ中に男看守がのぞくとはどういうことか!」と抗議。ところが何と奴
らは、トイレ中の房内にドヤドヤと入りこんできたのだ。私はあわててパンツをあげ、
「どういうことか!」と抗議。するとさっきの大柄の男性看守が私をおさえつけ、他の
ブタが房内にあった食器口の蓋と、弁当箱、歯ブラシ、歯ミガキ紛、トイレの所にあっ
たプラスチックの破片と棒きれをかっばらって逃げた。ゴリラは、私が裸足で奴を蹴っ
た(以下ヌリツブシ)ゴリラは私を床につき倒し、上に乗っかってきて痛めつけたうえ、
私が起きあがれないでいるスキにサッと逃げた。「弁当を返せ、洗面用具を返せ!」の

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要求は、「ウルサイ!」という一言に無視される。しばらくして「夕食」といって、女
看守が紙の皿に握りめしと、コカコーラの紙コップに規定量の二分の一〜三分の一程入
つた副食をお盆にのせてもってくる。「こんなものは食えない。ちやんといつものとお
りのまともなメシを入れろ。昼食の弁当をまだ食っていないのに、かっばらっていった
ことについて説明せよ。弁当を返せ。」とつっばねる。夜遅く、やっと歯ブラシ、歯ミ
ガキ粉が戻ってくる。奴らは、夕方から私たちの会話の妨害のため、排気装置を連続作
動させ始め、それ以来ずっと休むことなくゴーゴーと音をたてている。これだけで、頭
がガンガンしてくる。元の房に返さないのなら、房内にあったものを全部ここにもって
こいと要求するが、全く無視される。女区の保安房は、廊下までがひとつひとつ区分さ
れているため、六舎の保安房より防音が完壁で、隣房との会話はほとんど不可能。食器
口が開けっばなしになっているのにいくら大声を出しても聞こえない。この日は思いき
り運動し、彫刻し、早めに床につく。のぞき穴には、前回様チリ紙で目かくし。
▼六月四日、朝「電報発信妨害をヤメロ!」の声。一緒に抗議。三人とも元気、ガンバ
ロウ、と確認。あやちやんが電報を出したということを後で開く。(私は辞書を買って
しまって、金がなかった) 食事は相変わらず、ふつうのものではないメチャクチャの

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握りめしと、紙コップにほんの少しのおかず。「まともなメシを入れろ!」と要求しつ
づける。三日と四日の分あわせて、Sさんよりの牛乳差入れがあるが、「まず、まとも
なメシを入れてからにしろ」と受けとりを拒否。冷歳庫に保管させておく。着替えの要
求に対し、ブタ看守は「着替えの理由を言え」とホザク。「着替えとは汚れた衣類を脱い
で、新しい衣類に着替えることを言うのだ。それ以上の理由などあるわけがない」とい
うと「生理でパンツが汚れたのか」などといってくるので、「何でそんなことをおまえ
らに言わなければならないのか!」と抗議すると、「そうか。それだけならば、認めら
れない!」といい捨てて、逃げる。どこからどこまで腐敗しきっているのか。やむなく
着ているものを全部脱いで洗たくし、固くしぼってまた着る。何時間か後には、房内の
むし暑さと体熱によって乾いてしまう。
▼六月五日(日) 前日同様、奴らは“点検”にもこない。一日三回、同じようにして
メチャクチャなメシを房の外の段ポール箱においていくのみ。
▼六月六日(月) チョーバツ執停要求と、差入牛乳停止要求を書くための用紙と筆記
具を要求、それを書いた後、ボールペン(自分のだ)を出すことは拒否。弁宛手紙発信
妨害にさんざん抗議すると、やっと便せん一冊と、封筒一枚(奴らは勝手に新美隆様と

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すでに書いてあった封筒を選び出してきて入れた)が入る。カーボン紙も要求するが無
視される。入浴日なので入浴を要求するが、これも無視。歯科診療日なので同様要求す
るが、「医者が休みという理由(ウソ!)で拒否される。
 ここまで書いてきて、今あやちやんの声が廊下を通っていく。「帰るの?」ときくと
「そうよ」との答が返ってきたので、もう少しで返されるのかもしれない。
 続いて私も返される。屋根とトイレの囲いが破壊されているのを見て、保安課長は「
キブツソンカイでキソするゾ!」 女区長、女区主任が「キチガイ!」「コイツはまだ
返すのは早そうだナ!」「指示に従わんと、また保安房にぶちこむゾ!」とのドーカツ
を加えながら、帰房したのがPM二時頃。案の上、食器口はおそろしく頑丈に修理され、
フェンスはふさがれ、房内はメチャクチャにかきまわされ、いろいろなものが盗まれて
いる。(彫刻途中の粘土細工とパン粘土、こわれたヘアピン、ペン軸、パンツのひも、
タオルかけの棒、ゴハン、胃の薬、トイレのつい立ての足、ETC。)あやちゃんと健
在を確認しあい、保安房から帰ってきたことを報告。直ちに「浴田さんを返せ!」「盗
んだものを返せ!」と要求。(ヌリツブシ)の態度は、急に威丈高となった。反抗すれ
ばいつでもまた保安房にぷちこみこらしめるのだとの、保障があるためか。

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 今、二時半。まだゆきちゃんは帰ってこない。奴らは入浴だといってきた。しかし、
ゆきちゃんが帰房するまで入浴などできるわけがない。直ちに「浴田さんを返せ」と要
求しつづける。
 今、ゆきちゃんが帰ってきた。みんな元気。ハンストは十食めだが、ピンピンしてい
ます。
 では、報告まで。                 PM二時四十分
今、あやちゃんが「風呂よー」といって入浴にいきました。

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