判決迫る!!
連続企業爆破事件被告
東アジア反日武装戦線「大地の牙」グループ
浴田
由紀子
さんを救援する会
12/8集会

と き:2001年12月8月(土曜)
    、午後2時開演(開場午後1時半)
ところ:文京区民センター集会室(2A)
       都営地下鉄三田線・大江戸線:春日駅A2出口徒歩0分
       丸ノ内線・南北線:後楽園駅徒歩3分
       JR:水道橋駅徒歩10分
参加費:当日1000円/前売超割引券500円


■集会開催にあたって
 「テロ」への報復が声高に語られている。「戦争」が正義のように語られて
いる。

 ……今から四半世紀も前のことである。生まれていなかった人もいるだろ
う。しかし、当時、物心ついていた人たちには忘れようもない「連続企業爆破
事件」があった。

 1974年8月30日の昼、三菱重工前に仕掛けられた爆弾により、多数の死傷者
が出た。しばらくして、「東アジア反日武装戦線“狼”」を名乗る犯行声明が
マスコミに届いた。そこには「日帝の侵略企業・植民者に警告する。海外での
活動を全て停止せよ。海外資産を整理し、『発展途上国』に於ける資産は全て
放棄せよ。この警告に従うことが、これ以上に戦死者を増やさぬ唯一の道であ
る」と記されていた。

 その後、三井物産、大成建設、鹿島建設、間組などの企業に対して“狼”の
ほかにも、“大地の牙”“さそり”等を名乗るグループによって爆弾闘争が続
けられた。

 浴田由紀子さんは“大地の牙”のメンバーとして、同志の斎藤和さんと起居
を共にする生活をおくっていた。

 1975年5月19日、「犯人」たちは一斉に逮捕され、裁判にかけられた。
“狼”の大道寺将司、益永利明さんは死刑判決を受けた。これは戦後初の政治
囚に対する死刑判決であった(現在再審請求中)。“さそり”のメンバーは無
期あるいは18年の懲役判決を受け服役中である。そして、“大地の牙”の斎藤
和さんは逮捕直後服毒自殺をした。

 しかし、浴田由紀子さんは1977年の日本赤軍によるハイ・ジャック闘争に
よって、他の指名された数人の獄中者と共に「超法規的措置」として身柄を解
放され、裁判は中断された。

 長い年月を経て、浴田さんは1995年、ルーマニアで拘束され日本に送られ、
裁判が再開されることになった。

 再開された裁判で、浴田さんは、まず、自らの闘いがまねいた被害者に詫
び、当時の自分たちの考え方の若さ、狭さ、浅さ、不十分性についての反省を
語った。その上で、逮捕直後の供述では、自分の関与していないことまでもが
どのように捏造されていったかを、今だから語れることとして述べている。ま
た、この裁判での「証人」となった大道寺・益永両死刑囚にとっては、当時の
自分たちの誤りを認め、犠牲者への謝罪を述べる初めての機会となった。

 再開した公判も今、大詰めを迎えている。どのような判決が下されるか全く
予断を許さない状況にある。

 浴田さんは、かつて、今日ほど注目を浴びることのなかった戦後補償問題を
きっかけにして社会問題に目覚め、正義感につき動かされ、人生の岐路を選ん
で今日に至った。彼女の「人生の岐路の選択」を誰が笑えるだろうか。

 権力が「テロリスト」と呼び、マスコミがそれに追随して鬼や悪魔のように
描く、そんな人の生身の姿と夢や希望を見てほしい。

 表紙に掲載したのは浴田さんの15歳頃の写真だ。ごく普通の、当たり前の、
隣にいそうな娘さんが、人生を賭けて闘いに立ち上がった時代がこの日本でも
あった。その意味を共有したいのだ。

 そして、今、明らかに具体的に進行している戦争への道を止めるためにどの
ような闘いが求められているのかをいっしょに考えたい。そこにはきっと、浴
田さんたち「反日武装戦線」を担った人たちとの、彼、彼女らの取った戦術が
間違ったものであったとしても、共通する思いが溢れることだろう。
                                (ゆきQ)

■浴田裁判の争点(『模索舎月報』2001年7月号より/川村弁護士によるまとめ)
 1995年11月28日以降、中断していた公判が再開され、以降、今日まで、100
回を超える公判を行ってきている。この裁判がかくも長期化した理由は、次の
とおり、この裁判の争点が極めて多岐にわたったからである。
1.超法規的釈放の問題:ダッカ事件にて国が合法的に被告を釈放したのに、裁
判を再度続けることは合法なのか。「迅速な裁判を受ける権利」や時効の趣旨
に矛盾しないのか。
2.強制送還の違法性:ルーマニアから日本への強制送還には法的根拠がなく、
違法である。
3.爆発物取締罰則の違憲:明治憲法以前に制定されたものであり、日本国憲法
下ではその適法性に疑問。
4.偽造パスポート事件の無罪:浴田さんが使用したとされるパスポートの偽造
の時期が特定されていないのになぜ行使したといえるのか。
5.三井物産事件の殺意:浴田さんは爆弾の威力を認識しておらず、予告電話を
している。
6.大成建設事件への実行の関与:当時浴田さんは体調が悪く闘争に参加できる
状態ではなかった。当日は職場に通常勤務していた。
> 7.間事件の共謀:間事件に向けられた3部隊の三者会談の討議内容は、「大地
の牙」の末端(?)にいた浴田さんには十分伝達されておらず、共謀は成立し
ない。
8.「大地の牙」の構成員:「大地の牙」には斉藤和君と浴田さん以外に複数名
の構成員がいたという疑惑がある。
9.自白の任意性、信用性:以前の供述で浴田さんは「大地の牙」の構成員を2
名として説明しているため、その調書に信用性はない。
10.死刑確定者の証人尋問を非公開で実施したこと:被告弁護側の大反対にも
かかわらず、裁判所は、大道寺将司君、益永利明君の証人尋問を、傍聴人の入
れない東京拘置所で実施した。憲法違反である。

PROGRAM(予定)
◆ビデオ上映(約30分)グローバリズムと闘うアジアの労働者
◆講演:大田昌国「東アジア反日武装戦線の今日的意味」(仮題)
◆紙芝居:三本美治(休憩時間に上演の予定です。お見逃しなく!)
◆弁護団による裁判の争点解説
◆私の証言:朝倉喬司・足立正生・荒井まり子ほか
◆獄中からのメッセージなど

■浴田由紀子関連年表(敬称略)
1950年12月19日 山口県に生まれる
1969年4月 北里大学衛生学部に入学(1973年3月に卒業)
1971年初夏、渋谷駅前でハンスト中のテック闘争[潟eックの解雇撤回闘争]に
遭遇し、その協力を通して、斎藤和、朝倉喬司らと知り合う。
その後、台湾人楊明雄の軍人恩給、軍事郵便貯金の支払いを政府に求める闘
争、ミクロネシアから来たダニエル・ロペスの戦争遺族年金の支払いを政府に
求める闘争などの支援に関わりながら、日本の戦争責任、戦後補償等に関する
問題意識を深める。
1974年8月30日三菱重工爆破事件が発生し、後に「東アジア反日武装戦線
“狼”」を名乗るグループからの声明文が出された。
以降、東アジア反日武装戦線による企業爆破事件が相次ぐ。 10月14日“大地
の牙”による三井物産爆破/11月25日“狼”による帝人中央研究所爆破/12月
10日“大地の牙”による大成建設爆破/12月23日“さそり”による鹿島建設P
H工場爆破/1975年2月28日三部隊による間組本社、大宮工場同時爆破/4月
19日韓産研とオリエンタルメタルの同時爆破/4月27日間組江戸川作業所爆破
などの事件である。
1975年5月19日 浴田由紀子を含む8名の一斉逮捕。斎藤和は逮捕時に服毒自
殺した。
   8月4日 日本赤軍のクアラルンプール在マレーシア米大使館、ス
ウェーデン領事館占拠闘争で、“狼”メンバーを含む5名が超法規的に釈放さ
れる。
1977年9月28日 日本赤軍の日航機ハイジャック闘争(ダッカ事件)で、浴田
由紀子を含む6名が超法規的に釈放される。
1979年11月12日 東京地裁で“狼”グループの大道寺将司、益永利明に死刑、
“さそり”グループの黒川芳正に無期懲役、さらに“狼”を「精神的・無形
的」に幇助したとして荒井まり子に懲役8年の判決/1982年10月29日東京高裁
控訴棄却/1987年3月24日最高裁上告棄却
1995年3月 ルーマニアで拘束され、日本へ送還される。
1998年11月〜1999年12月 浴田裁判で大道寺・益永両死刑確定囚への証人尋問
が東京拘置所内で傍聴を認めぬ密室裁判として強行される。
以降、吉村和江、宇賀神寿一、荒井まり子、朝倉喬司、田中宏、そしてお母さ
んたちが弁護側証言を行った。

 12月8日の集会では、弁護側証人となってくれた方々に、判決に向けて、改
めて「法廷で一番言いたかったこと、あるいは言い残したこと」をテーマに発
言していただく予定である。公判を傍聴できなかった人たちに、ぜひ参加して
ほしい。

■浴田由紀子さんの公判日程
2001年10月30日(火曜)午後1時30分〜 弁護団からの浴田由紀子さんへの
再主尋問
2002年1月11日(金曜)午前10時〜 論告求刑
2002年3月11日(月曜)午後1時30分〜 最終弁論
   ?月?日(?曜) 判決
※いずれも東京地裁(刑事5部)にて。傍聴券が15〜30分前に交付されます。

■浴田由紀子さんを救援する会(ゆきQ)
東京都荒川区西日暮里2-39-7 GSハイム404 支援連気付
電話:03-3891-7047(水曜夜のみ)
郵便振替:ゆきQ 00170-9-26827(常時歓迎) 
E-mail:takasi@bg.mbn.or.jp(集会までの期間限定)
「反日」のホームページ http://plaza4.mbn.or.jp/~hannichi/
機関紙『ゆうき凛々』等は模索舎で御覧になれます。お気に召したら買って下
さい。


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