獄中から声明します!その2−1997.5.30

5.30リツダ闘争25周年にあたって

日本赤軍 浴田由紀子・吉村和江・丸岡修

「あす、僕らは、この辺境の基地を出発します。羊の群れが出撃する我々を送るでしょう。ずっと仲艮くしていた子どもらが手を振ってくれるでしょう。彼らが、僕らのあとを継いで銃を握ること、世界中の飢えた子どもらが我々のあとにいることを僕らは確信しています」(両親宛奥平剛士同志の遺書より)

1.リッダ闘争の意義

 闘争から25年後の今、2・l5弾圧によって岡本同志たち5名がレバノン治安当局に拘束されていますが、日米両帝国主義の思感とは逆に、レバノン政府は完全白紙化まで一時は検討しました。日米両国による圧力の結果、拘束の事実公表に迫い込まれましたが、即送還を阻止した時点で、政治的には私たちが勝ちました(たとえ、今後送還されようとも)。
 4名の獄中インタヴユー時の写真を掲載したレバノン紙は、見山しで5人を「ヤパーニイイン・インビタール(英雄的日本人たち)」と呼んでいます。この例のように、日本赤軍がこの25年間に築いてきた闘いは、アラブ人民に広く、強く支持されています。180人以上もボランティア弁護士が現れ、レバノン進歩勢力各派、パレスチナ解放勢力各派も救援に乗り出しています。血で結ばれた私たち日本赤軍とアラブ人民の絆は、帝国主義の介入で揺らぐものではありません。
 リッダ闘争の意義は、第一に、自己犠牲的闘争実践をもって国際連帯を切り拓いたことにありました。当時、ベトナム解放戦争を先頭として帝国主義に反対する闘いは、第三世界を中心に大きく前進していました。私たちはプロレタリア国際主義の実践として、パレスチナ革命勢力との共同武装闘争を闘ったのです。
 意義の第二は、「同志殺害」という連合赤軍の重大な誤りに対するアンチテーゼとしてありました。同志たちは、連合赤軍の誤りの克服を、自分たちの生命を犠牲にした闘いを示すことによって果たそうとしました。革命の正しい目標と闘い方を示すために。(非シオニスト一般旅行客の巻き添え犠牲者には謝罪します。)

2.国際主義と民族主権の確立

 私たちの言う国際主義は、人民の国際連帯であって、敵の描く「国際テロ」では全くありません。現在、帝国主義陣営は「グローバリズムの時代」と称し、米国中心の「先進」資本主義諸国に都合の良い政治・経済体制への世界的再編を進めています。社会主義と民族独立が前進した第二次世界大戦後の世界で、帝国主義陣営は、帝国主義諸国間の戦争を自制せざるを得なくなり擬制の協調によって共同の世界支配を企み、ソ連、東欧社会主義の自滅後一気に世界再編を計ろうとしています。米帝の唱える「新世界秩序」の下、第三世界と旧社会主義諸国の広大なな市場と安価な労働力を確保し、また地球の限られた資源を独占するための帝国主義にとっての国際化が、「グローバリズム」の本質です。そこでは民族と人民の主権が侵害され、少数の富める国がますます富み、多数の貧しい国がますます貧しくなる世界しかありません。
 帝国主義によるグローバル化に対して、各民族、各国人民は主権の確立によって対抗しなければなりません。しかし、帝国主義諸国が圧倒的な軍事的、経済的力を保持している状況では、各民族、各国人民が個別に対峙していたのでは勝つことは不可能です。各民族・各国人民の様々な状況、条件に応じた、武装闘争に限らず平和的手段を含めた各種各様の闘いを相互に支援する国際連帯が必要になっています。これが私たちの言う国際主義であり、人民の連帯です。

3.2・15弾圧

 予審においてレバノンの高等裁判所は、5人を「政治犯」と認定し、6月から一審の公判が始まります。他方、日本政府は、執行猶予付判決にさせての日本への早期送還をレバノン政府に求めているようです。最悪、岡本同志の引き渡しを断念してでも残る4名は引き渡させる妥協案も用意しているでしょう。私たちはレバノン政府に対して、日本側のいかなる要求にも応じないことを強く求めます。  日本の治安当局は、2・15弾圧以後、「日本赤軍は、非公然組織・人民革命党を91年に結成し、国内での蜂起を用意している。国内に400名の支援者」などという情報を流し、あたかも日本赤軍が今にも武装蜂起しかねないという雰囲気を作ろうとしました。それを受けて2月下旬に、元内閣安全保障室長の佐々淳行は、テレビなどで「赤軍シンパ、支援者などが数百名おり、彼らを取り締まる法律が必要だ」と唱えていました。日本の治安当局は破防法を上回る冶安弾圧立法を企図しています。これを許してはなりません。

4.さいごに

 ペルー・フジモリ強権独裁政権は、日本大使公邸占拠闘争を闘ったMRTAの戦上14名を虐殺しました。まず戦士たちを哀悼し、フジモリ政権を強く弾劾します。この虐殺と2・15弾圧は連関しています。帝国主義陣営は共同して、帝国主義に反対して闘う世界中の革命運動と民族解放運動、そしてそれらを支援する諸国を分断して、個別に撃破する戦略的攻勢をかけています。「テロリスト」「テロ支援国家」などの汚名をかぶせ、帝国主義に反対する諸勢力の一帰を狙っています。米国などの帝国主義、フジモリ政権のような強権独裁国家こそが、テロリズムの信奉者です。私たちは屈しません。
 私たちは、自国人民に依拠した自力更正の闘いを強め、人民の国際連帯を強め、帝国主義を地球上から放逐するまで闘い抜きます。私たちは真の自由と民主主義を求め、平和を愛するが故に闘っています。私たちは、真の共産主義者であるが故に、民主主義者であり平和主義者です。
 人民の自冶と共生を求めて!
人民新聞 1977.6.5 より転載。
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