支援運ニュース No.166

出発点を確認して次に進もう!

96.5.27.浴田由紀子


 今月は、利明君と将司君の48才の誕生日ですね。チョコレートを食べて下さい。世界中で!
夏前には開始される事になる東アジア反日武装戦線の裁判に向けて、75年の頃の資料を見ていたら、まだ紅顔の美青年だった頃のみんなの顔が出てきて、1人で「フッフツフッ」とか笑ってしまった。そして『この写真マイナス“ケー”』とか『この写真プラス“オシワ”』とか……再会を楽しみにしてる。

3人3様の反日について、今回はちょっと内輪の話をしよう。
 この言葉は、日本赤軍に合流した当時、東アジア反日武装戦線の出身3人に対して、日本赤軍に古くからいる同志達や、他の党派から来た同志達に批判的に言われていた言葉です。日本赤軍は総括一致、思想一致の党ですから、当時新入りの私達を含めて、各自の担ってきた運動や闘争の総括を共同作業として行なっていたのですが、「反日思想」ってどういうの?と聞かれると3人がそれぞれに説明すると、Pointが少しずつちがうのです。「長期的にはどうしようとしていたの」とか「権力問題はどう考えていたの」……と言われるともうほとんどバラバラに近い「同じ組織とは思えない」と言われる。党派から来た人達から見るとこれはもう「内輪もめ」が起こる水準のズレなのですが、反日の3人はいっこうにもめるようなズレとは思っていない。「彼の言ってるのもそう。彼女の言ってるのもそう。私の言うのもそう。国内には、もっとちがう考えの人もいる……」前提として、各様の「反日」が共存しうる! おかげで、いっしょに総括しようとしている同志達には、なかなか主要な問題点がつかみづらいという過程がありました。○○ちゃんの理論でいくと主要な問題は「人民規定の誤まり」、「△△ちゃんの問題点は「戦略の欠如」〜〜となるわけです。……東アジア反日武装戦線とは……と総括を教訓化しようとするとえらく時間がかかったものです。
 165号で将司君が大森君の「反日思想とり下げ」に関連して「反日というのは反権力であり、反体制であって、基本的に自ら権力を握る事は予定しない思想と立場」と言っていますが、私も含めて東アジア反日武装戦線の一部はそうであったと思います。であったが故に、敵・味方規定を明確にしえず、戦略的展望を持ちえず「当面の闘い」に「没頭」してしまいました。腹腹時計に提起した日帝の歴史的・現在的な差別・侵略・植民地支配に荷担した抑圧民族としての自覚に立って…これが我々の立場でした。そして今、どうアンチに、立場に停まらない、闘いをおし進めていくのかが70年代反日を総括した我々の闘いの地平なのだろうと思います。出発点と立場をもって全てを語ろうとする時「3人3様」「10人10色」の様に見えるかも知れないけど、この出発点を出発点として確認し合うことが出来るなら、今や世界レベルで、重層的・有機的にある差別と抑圧・搾取の構造に対して…違う互いが、いかに人間としての価値と尊厳を尊び合い、共に生きる道をおくるのか…今、ここから何をどうしていくのかを共にしうるのではないかと思うのです。

浴田裁判は
 去る5月22日から、パスポートに関わる本人尋問が始まっているのですが、5月22日、公安警察が傍聴席にもぐり込み、それを指摘した傍聴の仲間を三上裁判長は、廷吏に命じて強制退去させたのです。いわく「警察官にも傍聴の権利はあるわけですから…」。我々の弱さなのだが、公安のイヌの傍聴もぐり込みは始めてではない。前回三上は「被告人尋問というわけではないので、さして支障があるとは思えない」といってイヌの在廷を許し、被告人尋問の今回は「被告人」の「警察官がいるのでは発言しづらい」という抗議も、前回の自分の発言も忘れて、イヌに席を渡したのだ! 要するに彼には法廷の「独立」を守るための基準なぞない。…口から出まかせ、いきあたりばったり公安警察・検事と手に手をとって、この裁判をおしすすめる…。我々は近く、反証のための証人請求をするつもりだ。ちみつな審理を要求している我々の前に…さて裁判長は必要な証人を受け入れるだろうか。夏休み前には東アジア反日武装闘争審理に入ろうとしている。彼らがどの程度「まじめに」やる気があるのか否か……。
 法廷にもぐり込もうとする犬を、何が何でも柵の前で阻止したい。「被」―弁護人―傍聴一体になった団結した力で奴らをしめ出そう!
 で、本人尋問は、弁護側60〜70%位終了。次回は、いよいよ日帝警察官によるルーマニア領土内での身柄獲得から、「違法な、日本入国」まで、続いて検事側尋問。奴らの違法行為のバクロです。やったろやんけ! とはりきってます。圧倒的な包囲・傍聴を!

このごろ
 久しぶりにまりちゃんにあったら、彼女の教訓をいろいろと話してくれた。「しらずしらずのうちに、自分を型にはめてしまわないで……ありのままの自分を出して……いくのがいちばん人々に訴える事が出来ると思う。」「うん、そうなんだよね。」知ったり、知らなかったり…これ以上はない開き直りをしているつもりでも、やっぱり、つっぱっている部分はあるのかも知れない。こんなところにいると「塀がある」とか「検閲される」とか思うだけで肩ひじはる内容がなくはないものね。今以上に、リラックスして本音出してやるとしたら……ア、別の問題かなあ。。。
 シャコ同志からと思われる本70冊を差入れてもらった。マンガは1冊もないみたいだけど、名札表の跡をながめては「シャコかあ、早いとこ会おうぜ!」と思ってる。みんなありがとう!

 P.S.本の中に「手話の本」があるのだけど東拘は「不正に使用しません」という「念書」をとった。アホが!そうか「不正に使用する」という「手」もあるのか……!むつかしそうだねちっと。


YUKICO
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