支援運ニュース No.177

浴田由紀子さんからの手紙

97.5.1 浴田由紀子

お元気ですか? 4月もまたいろいろな事があったけど、獄内外の仲間達はみんな、元気だろうか。1つ1つヘコタレていないで、力にしてゆきたいものだと思う。

1.MRTA、日本大使館占拠闘争の軍事的敗北に、日帝本国人としての主体的総括を! 実践しよう!

@やさしすぎた占拠部隊

 彼らは1人も殺さなかった。そしてあまりに人々を信じすぎたのか? フジモリは、両手を上げ武器をすてて投降したMRTAの少女を含む17人を殺して、凱旋パレードをやってみせた!
 フジモリは、自らが殺した1人1人の死体をかくすのではなく、誰の弾をどのように受けて、誰によって何故に殺されたのかを人々の前に報告するべきなのだ!誰が真の「テロリスト」なのか、誰が「血の解決」を、武器と軍事力によって、人々の屍の上に自己の権益を維持しようとする者であるのか、今や誰の目にも明らかにされた。報道が伝えることは、2月初旬、橋本・米帝のOKをとりつけたフジモリは、「平和的解決のポーズ」で一貫して世界をアザムキつつ、彼にとってのメイン戦略が「武力解決」である事をゆずったことは一度もないという事だ。「保証人委員会」もキューバも、フジモリは突入準備のためのカードとしてしか位置づけてはいなかったのだ。
 国際赤十字、ローマンカソリック教会、世界中のメディアとカナダ、日本両国の参加、が公然とフジモリの「テロ行為」を準備する道具として使われたのだ!(これは非武装の世界平和主義者へのブジョクと挑戦ではないのか?)この一連の大芝居に早い時期に「Goサイン」を出し、陰に陽に支援を続けて来た橋本は、23日興奮のあまり「私が彼の立場なら同じ事をやった」と口走ってそのファシスト・軍国主義者としての本性をバクロした。「何も知らされてはいなかった」? 何のために? 奴は2月1日にフジモリに正式にOKを出した(トンネルはその後で本格的に掘ったのだとフジモリ自身がバクロしている)。そして一貫して「フジモリ大統領に全てをおまかせしてある。大統領を信頼している」と言い続けたのではなかったのか。「全権委任」をしていたのだ。治外法権の成立するはずの自国大使館の地下に、人殺し人が進むための穴を掘る事も、建物とその中にいる人々を爆破する事も。それ以上に何が必要なのだ! 「血の解決」を許したのは、「日帝の変わらぬフジモリ大統領への信頼と支持」なのだ。そして、それをさらに橋本のうしろから支えたのが、そんな橋本を許している我々自身ではなかったのか!

A

 友人からの手紙に「…ペルーの広範な人々からの支持、特に貧しい人々からの支持がそれ程大きくなかった印象を持つが、闘争の在り方の反省点ではないか。MRTAへの支持がもっと大きかったら、もう少し違った展開になっていたのではないかと思う」とあった。「それはちがう」と私は思う。そういう側面があったとしても、それは今私達「日本の左翼」の言える総括ではないはずだ。と私は思う。
 軍事独裁者フジモリは就任以来、憲法を変えることを含めて、何でもやって来た(フジモリ就任当初、彼の「反民主主義的政策」「軍事独裁体制への転換」をあのUSA帝国主義さえも「世界の民主化の流れに反する」と批判して手をひいた。そこを唯一、全面的に支えたのが、「日系人大統領、日本民族の誇り!」を叫んだ日本帝国主義なのだ。千余人の招待客をもつ天皇誕生日のセレモニーはこうして成立した)。「テロリスト」と言ってしまえばいかなる弾圧も、人権侵害も自由に行えた。そんな国の中で「部隊を支持する」と発言し、行動することは、明日自分自身が“テロリスト”の烙印を押されて獄にブチ込まれるか、「掃討」されることを意味する。誰がいったい、本当の思いを表明しえただろうか。
 MRTAの戦士達は、徹底した軍事独裁、反人民的支配、貧困と窮乏のただ中にあって、そこから、断固、ペルーと世界の被抑圧人民の解放のために起ち上がった。日本を初めとする帝国主義による、軍事独裁・フジモリ政権への支援が、人民の貧困と失業を、ますます大きなものにしている事を、軍事独裁と監獄における人権抑圧の実態を世界中の人々の前にさらけ出すために決起したのだ!
『我々はペルーの人々の悲惨と窮乏以外の何ものももたらすことのなかったその経済政策への抗議と共に、この軍事占拠はフジモリ氏の政府による様々な人権侵害を支援し、我々の国における政治生活への日本政府の干渉に対する抗議としてこの軍事占拠を実現する』(96.12.17コミュニケ1号)
 日本の我々に対して、明確に、このペルー人民の窮状に我々も又多大な責任を有する者達であることを訴えている。にもかかわらず、それに応えなかったのは我々自身なのだ。MRTAを支持し、支援するペルー国外からの闘い、とりわけ日本左翼勢力の支援こそが求められていたのだ。
 フジモリの突入を許したのは、国際反革命同盟の「テロリズムを許さない」という「まつろわぬ者達」への、人権も、原則もない、排除の論理と“同盟”であり、同じ位に、フジモリへの自国帝国主義政策の「支援」を阻止することの出来なかった、フジモリにフリーハンドを許した帝国主義本国の左翼自身ではないのか。真の国際主義、人民連帯の実践に我々自身がおくれていたためではないのか。
 MRTAの決起以降も日帝は「災害救援」を口実に、フジモリに金を提供した。あれはトンネル掘りに使われなかったか? そして今、4月30日の新聞には「無償で14億円ペルーへ資金」という記事がのっている。今、誰が、OKを出したのだ。「ごほうびではないのか?」と思うのは考えすぎだろうか。フジモリは、この間ドイツの地からMRTAの闘いの意味を世界に伝えつづけていた“政治亡命者”の1人に、その政治亡命者としての生存をおびやかそうとしている。“勝ったいきおい!”なのだ!
「金の出所と行方の followを!」我々には、その義務がある。国際赤十字のミニング氏は「監獄の視察を続ける」と声明した。MRTAの提案を受けとめようとする、これが彼らの人間としての善意なのだと思う。
 MRTAの人々が切り開いた地平を1歩も後退させてはならない。フジモリ政権の本質とペルーの人民の窮状、そして、それを支え創り出している日本帝国主義の「支援の実態」は今、世界中に白日の下にさらけ出されている。我々は、この国のフジモリ軍事独裁政権支持を許せない。闘いをもって、日帝企業の経済侵略を、いかなる人権抑圧も許さない。闘いの継続をもって、彼らの闘いをひきつぎ、さらにさらに押し進めていこう! 闘いは始まったばかりだ!

祖国か死か、我々は勝利する! あなたがたと共に、いつまでも!

2.特措法はあっけなく通過!

・この国の大政翼賛化は、はっきりと深化定着している。
 この国の政界ごっこを見ていて、あらためて思うことは、日帝敗戦後、一貫して良く団結し、その利益を防御・発展させるために統一の形成につとめて来たのは、敵、独占支配階級なのだ、ということであり、我々の側は、負けても負けても、何故負けたのかの根拠を自らに求めることなく、ささやかな、ホンノヒトニギリの“理想の正当性”にこだわって分裂を良しとし、結果として敵を利することしかしてこなかったのではないのか。「強い敵」に何1つ学べなかったことをこそとらえ返し、真に人民の利益を防衛するために自らを、こだわりをすてて、統一の流れへと組織しなければならないのではないか。そう思う。
 友人はくり返す。『アンタネェ、国内でやってないからそう言えんのよ。実際、セクトはヘゲモニーねらって内ゲバもちこむし…みんなつかれてんのよ…。』
 ウン、そうかもしれない。しかし敵も日常不断にヘゲモニーねらい合いながら、「要の団結」はぜったいにはずしてこない。ちゃうか?!
・橋本や小沢が、何が何でも今米軍のために土地を用意してやる事が必要なのだというのなら、「私の土地で戦争の準備しないで下さい」「私ら日米安保も、米軍の保護もいらん」と言ってる人から法律変えてまで取り上げて渡さなくても、何故「自分の土地」をのしつけて渡さんのじゃ。自分家のうら山に実射場を移転してもろて、お倉は、毒ガスや弾薬の倉庫に使てもろて…ご近所や町内会にも「ぜひ必要だから」田んぼや、畑を提供してもろて、選挙区の支持者にもみんな少しずつ出してもろて…本気で「必要」ちゅうことは、そういうことちがうのか? 橋本や小沢を支持するちゅうことは、そういうことでしょうが…。
 橋本君! 人のフンドシで気取ってみせるのは止めてほしい!
 誰が、特措法に反対したのかしなかったのか、誰が安保がほしい米軍がほしいと言っているのか…しっかり見きわめて、本気で必要なものなら自分の身を切ってでも準備する。選挙民に「自らお願いして用意する」責任あるタイドを要求しつづけよう!

3.丸岡公判判決

 こんなデタラメが通用するような国に我々がいるのだ、とは思いたくない。はっきりと、事実よりも…「6人もってかれたことへの報復だ」と言っているところが正直だが…。腹立つ!
 反撃に! 知恵と力を寄せて下さい。上告審です。
 丸岡同志、足元の闘いも ガンバレ!

4.その他

 長く書きすぎてしまって、ゴメン。「でもコンピュータで割りつけやるからいいんだ」と思っているのだが…。
 このところ「陳述書」書けなくて…弱ってる。「連休」が勝負だ! いい季節をみんな楽しんで下さい。もうすぐ22年だね。
 あの日も月曜日だった! みんなお元気で! 再見!
                      ゆき子
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浴田Jr T君、ついに日帝本国人となる!
浴田さんの息子T君がやっと国籍取得できました。
最近チャパツにして、お母さんの怒りを買ったりと、すっかり親よりも日本に馴染んでいます。これを機に更なる成長を期待します。


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