支援連ニュース No.217

9月8日ついに弁護側立証冒陳をやりました。

2000.09.12 浴田由紀子

 暑くて長すぎた夏が、ようやく涼しくなりはじめました。
 お元気ですか。「もう当分夏はいらん!」という気分です。あと1.2ヶ月したらまた「寒いよりは暑い方が耐えられる」とか言うのですが、とりあえず、さっさと夏バテに別れをつげて秋を楽しみましょうね。
 浴田裁判は、9月8日ついに弁護側立証冒陳をやりました。この準備のために、夏がいつもの数倍息苦しかったのですが、時間は過酷にせまってきて、締め切り遅れなんて待っちゃあくれない。あの冒陳台に立たされてしまった訳です。25年も前の行為について、今の立場で弁明するというのは、なかなか自分をひきさかれるようで苦しいものです。これだけでもうこの裁判の理不尽は言い尽くしたようなものですが……売られたケンカは買わにゃあならん。
 さて、私達が、これからの裁判で、何をどう立証しようとしてるのかということですが、一つは、東アジア反日武装戦線の闘いの歴史的時代的根拠と「正当性」について、現時点からとらえ返したいということ。二つには、起訴罪状とされている爆取の違憲性(116年も前の政令です!)と、超法規釈放の「効力」を主張していきます。三つ目に事実関係においては、殺意の不在、全グループ共謀の不在ということを軸に統一公判での事実認定の誤りを正していこうとしています。もちろん被告人の関与の程度についてもしっかりと争います。
 全体的に、是は是・非は非・事実を事実として争いますが、むつかしいのは、「大地の牙」の闘争について「事実」の認定をどう客観的に行わせるか」ということです。私達はそれを「大地の牙の姿」からうかびあがらせなければなりません。(オーイ、ニイチャン、このパンフを読んでいたら知恵をくれ! 力はイラン!)浴田には「すべて二人で半々の責任です」というストーリーの「供述調書」があります。これを否定して真実を明らかにする闘いになっていくわけです。じっくりととりくみます。
 そして第四の目的は、一連の審理を通じて斎藤和同志に出会い直したいというきわめて私的な目標があります。私自身の小さな目と小さな心で出会った彼だけでなく、客観的な、斎藤君を少しでも、人々に伝える機会にできればと思っています。
 その為に私達はこれまでに11人の証人を申請しました(内一人は検事村田恒でした)。9月9日現在このうちの5人のみが採用になっています。(宇賀神、荒井、大島、吉村、母、他一人は未定)こんなことじゃあ「十分な弁護をつくす」ということにならないので、さらに何らかの対策をすることになると思いますが、まずは、この秋、この5人の証人調べに全力をつくします。証人になって下さる方々には、とってもたいへんなご苦労だと思いますが、甘えて、めいっぱい力を借りて、助けてもらうつもりです。どうか証人達を応援してあげて下さい。
 
 8月、冒陳書きはちっとも進まなかったのですが、さて、あの頃何をどう考えていたのかを思い出そうと、途中で当時読んだ本の差し入れを友人にたのみました。(これも東拘の領置規制のせいで、いったん領置したり宅下げしたりして四散させてしまっているからです。)本がなんとなくそろったのは、9月、冒陳は不納得のまま成文化の段階でした。(もちろん読む余裕はないので、これからじっくりとよむことにしますが、さて、どう読めるのでしょうか?!)あらためて、領置規制や図書制限がなければ、これらの本をめくりながら、文章書きができたはずだと思うと、何か、裁判の行為というか、主張が、東拘の不当な「規制」のためにゆがめられたのだということがジワーッとわかってきました。「外因論じゃないか」と言われるかもしれませんが、やっぱり「資料は使えない」との前提で出発するのとそうじゃないのとでは、とくに私のように物忘れの上手な人には、大きな違いです。どうしてくれよう!!
 
 ところで森ボロボロ内閣は汚い政治を続けていますね。中尾元建設相、久世金融再生委員長と自ら汚い金権政治の実態が問われたら、今度は、選挙でボロ負けしてくやしかった森田議員や、山本議員をさしてしっぺ返しということでしょうか。私はこの程度の「悪事」は自民党代議士には5万といるのに…と思うのですが、いわゆる森田・山本両議員をあげて正義面する検察の正体の方がよっぽど恐ろしいことですよね。何だか陰謀・政治というのが横行して検察はだんだん憲兵のようになるのでしょうか。そのつめ先に我々もひっかけられているのですが、何とか、逆がみ位してみたいものです。
 
 あと少しで21世紀、宿題は山のようにありますが、上手に方法化したり、片付けたり、少しはもちこしがあっても、何とか、新しい世紀を創れるように力を合わせてがんばりましょう。
 
 このところ、「実質的に、具体的に、日帝中枢を打倒する闘い」をと起ちあがった頃の思いを忘れないでいよう。いつのまにか、おしゃべり、観念左翼になっていたなと反省しています。獄中からですが、実質的・具体的に今を変えるとりくみを進めたいと思います。
 みんなお元気で 共に!

ゆき子 

YUKICO
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