支援連ニュース No.224

私かて「向くやり方」がいい!!

2001.04.13 浴田由紀子

 お元気ですか。急に春になりましたね。
 みんな桜を楽しめましたか。東拘女区の桜は、年々色が白くなるような気がします。近年、美白というのが流行のようなので、桜もそのつもりなのでしょうか。公害で土質が変わったとか空気が変わったとかのせいでなければいいのですが。
 「新しい教科書を作る会」の中学歴史が“修正”の末に検定に合格したようですね。近隣諸国からの批判に対して政府は、「検定の過程で内容が外にもれたことが『問題』というだけの立場のようですが、今後は「もつと秘密に検定を行う」ということになるのでしょうか。他の教科についてもそうですが、(特に歴史は)マスコミがこれだけ取り上げているのに、現場の先生からの意見がほとんど聞こえてこないのが不思議です。私が読んでいる新聞(読売)のせいですか。それとも先生方はすでに、そうしたこと(教科書の内容)に対して自分の考えを持ち、発言する権利を失ってしまっているのでしょうか。「質の悪い教科書は使わなければいい」という問題ではないと思うのですが。
 60年代に私が習った教科書には、“従軍慰安婦も、南京大虐殺も、アイヌの人々のことものってはいませんでした”満蒙開拓団が何をしに中国へ行って、何をしたのかを私は、大学生になって、長野県から来た下宿の友達に聞いて始めて知りました。彼女達は、中学・高校で「あたりまえに習った」というのです。劣等性ではあっても、授業には出ていた私は「知らされてなかった! ずい分偏った教育を受けたのではないか」と不信に思いました。
 「作る会」の人々は、「子供達が日本人としての自信と責任を持ち、世界の平和と繁栄に貢献できるようになる(作る会の主旨)ためにこのこの教科書を作っているようです。しかし、その為には、歴史の事実をまげて、黒を白と言いくるめて、誤りはかくさなければ誇りも自信も持てませんという仕方では、再び、現実を直視することのできない、誤りを正すことのできない「裸の王様」な人間になれ、ということです。大本営発表を信じて、天皇の赤子だと自分に言いきかせて、近隣人民を抑圧し、搾取した同じ「人間」を作ることでしかありません。それよりも、いい事も悪いことも、ありのままに直視し、誤りを克服しうる人類の歴史を伝える中で、様々な事体に教訓を生かして対処し、判断しうる能力を鍛えてやることの方が彼らのいう“主旨”にそうことのように思えます。
 国際的な批判があるのかないのか以前に、「歴史」を通じて、私達は、子供達に何を伝えたいのか、伝えるべきなのか、どういう世界に生きてほしいのかという視点から、この問題に対していきたいと思う。くり返しくり返し、近隣の人々に言ってもらわなければ気付けない間性とこそ闘おう。
 さて、浴田裁判は、3月22日からキョーフの本人尋問が開始されました。第一回は、子供の頃から、74年9月頃までのことを、時系列にそって話していったのですが、うーん。うまくはいかなかった。申し訳ない!! 準備不足というより、根性不足というのか、未総括というのか、とにかく、検察のストーリーのどこを、どう粉砕するために、どこで何を強調するのかという、目的意識のアイマイな、戦略も戦術もないダラダラな話にしてしまった。学生時代までは、まあ人生がダラダラなのだからしかたなかったにしても、革命闘争への参加の経緯、「ハラハラ時計」との出会い、和君との共同のあたりからは、もっと、メリハリのある、ハッキリとすじの通ったわかりやすい話にしたかったのに……。頭の中で思っていることの何分の1も言葉にならないで……どうでもいいことだけ言ってしまってお茶をにごすみたいな、日頃のいいかげんさがそのまま出てしまった。大反省してます。それにしても同志達はみんな、スバラシイ証言をしてくれたと、あらためて尊敬しているヨ。
 次回は改善、少しでも挽回できるようにと、今はりきっています。牙の結成から三井、将司君とのデイト、大成あたりまでをやることになります。さて、将司君の第一印象は? と聞かれたら、何と答えてやろうかと……いまワクワクしながら考えているのですが、前宣伝は「田宮次郎級のハンサムがくる」ということだった。これにつられて出かけていったのだが……少なくとも予告はハズレに思えた、ことだけはまちがいない。うーんこういう余計なことばっかり考えているから、肝腎なことがぬけるんだな。ガンバレ!
 233号で、日本赤軍への利明君の手きびしい批判のアドバイス、ありがとう。「ぎびしいなあ」というのはあるけど反論はできない。マズブート(アラビア語で「ごもっとも」というような時に使う)です。で、問われているのは、形ではなく、一人一人がその思想をどう実践していくのかだと思うので、ますます主体が問われますが、回りの人達から学びながら、経験を生かして、足場からの闘いを担っていきたいと思っています。どうかあきれずに、これからもいっぱい助言や批判や、共闘をしてほしい。的確にも「向かない」と言われた地下非合法だのなんだのかんだのより、私かて「向くやり方」がいい!!
 外でがんばっている同氏達への、「何があってもひきうける。」という利明君の立場は良くわかります。しかし私も又、(自分を含めてですが)再逮捕、あるいはオメオメと逮捕されることは、権力との対峙を放棄しないかぎり、絶対に回避することが「革命」と人民(歴史的な反弾圧闘争)に対する責任だと思っています。せめるのではなく、全体の利益(自分や自分の組織だけの利益からではなく)から今の自分達の位置と役割を認識してがんばってほしいと思うのです。もちろん、同志は、いつも自由でいてほしい! そして、どんなときでも、どんな所でも、ともに生き、共に闘い、生命をも分かち合いたい!
 いろいろな人達に迷惑をかけまくっている。自分達がやられるのは何とかがんばればいい。しかし、人々の闘いを弾圧する口実にすることを許す資格は私達にはない。とりきれない責任を、自分達でかかえることで、はたしていくしかないのだと思っている。前を向いて、歩を進めよう。共に!
 お元気でいて下さい。差し入れてもらったバラとかすみ草が、今日はとてもきれいです。
                                  ゆき子


YUKICO
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