支援連ニュース No.226

今がちょうきびしくて、たいへんなのだよ。

2001.06.15 浴田由紀子

 お元気ですか、今は6月15日、午後0時すぎです。支援連ニュース226号のしめ切りを2日もすぎていることを、忘れている訳ではありません。ただ、時と共に、編集局がまた、苦闘を強いられることに、私も又、心をいためながら……時をかぞえて……。
 マジ! まじめに、裁判の準備をしていて、心にも体にも、力がたりない日々なのです。25年分の総括を「1夜づけ」で片づけるっていうのは、並みの能力と体力ではできません。どの位目がくぼんで、きびしい顔になっているのか、「あいつはいつも、クテーとさぼってばかりいる」とブッブッ言いつづけている獄内外の同志達に見せてあげたい! エッ?「なんでそうなる前に、しっかり準備しなかったのか?」「時間があっただろうに?」って?……ウン。エエ……マア……過去をクヨクヨ思い悩むのはやめよう。とにかく、今がちょうきびしくて、たいへんなのだよ。
 本人尋問は、順調に進んで、6月26日には、弁護側尋問の最終回、この6年間の公判の大しめになります。(もちろんそのあとで検事が反対尋問とやらをしてきますが、それについては、「なーに、どうにでも聞いてミテクレ。何でも答えチャル」と、これはもう、太っ腹のこわいものなし、です。)
 問題は、従って弁護側最終回の「77年奪還以降、現在の心境」というやつです。何といっても未総括、加えて「現在の足元」は日々、刻々……状況が変わって色が変わって……自分でもしばしば、私は誰れ? ここはドコ? 的だったりするのですから、それこそ、3つどもえ、4つどもえのミソーカツ! ここはエッチラ、大急ぎで足元固めに奔走せざるをえんわけです。
 加えてこのところのJRA問題(含解散)について情報過疎地、仙台刑務所の奥地にいる丸岡君からは、限られた発信枠の1ページ半も使って、「オマエはしっかりと、将司君達に説明したらんかい! エーカゲンな受け答えをして、彼らを不安にさせるんじゃないぞ!!」と、とっても「ていねいな激」がとどいたりしています。「ワカットルワイ、しっかりやっとるやんけ……」と反発したいところですが、まあ、ことはそう単純ではない。私かて、自分に理解できる範囲のことを、考えられる水準でしか言えんので、申し訳ない。
 ただ、私は、この間の将司君や利明君のJRA批判について、あながち誤解にもとづく決めつけとは考えてはいない。報道されている以上も以下も事実は不明ということにおいて彼らと私に大きなちがいがあるとも思わない。「いいえ正しくは……」とこと細かに事実を検証して理解を促す、以前に、まず批判を受け止めるべき水準の話だと思っている。
 支援連ニュース225号で将司君が「(JRAは)一体何を考えているのか」と言っていることに、返せる言葉も、かえすべき言い訳もあるとは思わない(細かい事実はどうあれ、パスポート名義を借用したこと事体についてはすでに重信同志も謝罪するという形で認めている。)。路線転換であれ何であれ、非合法身分の人が何故国内の大衆運動の人々の周りをウロウロしたのか、それ自体が大衆運動をつぶさせる口実を与えることになるとは考えなかったのか。
 「日本赤軍のめざす革命あるいは変革は誰のため、何のためにあるのか…」という疑問と批判には、「そうだよな」と今、同じ問いを自分達自信に向かって問い続けることでしか答えられない。私達は、誰もが、自分自身を社会の主人公に、尊び合って共に生きられる社会を、私自身も又、新しい社会の一員として人々と共に創り出すために、生き、闘い続けてきました。
 将司君や利明君にしたら、そのつもりの正当性に停まって自分達の客観的な姿を見失い、自分達のしていることの人々への意味を見誤り、敵との攻防にあけくれて、身近な仲間・味方を見失った、かつての私達と同じ誤りをくり返しているのではないか、どうか、教訓を生かして身のたけにあった、無理のない、全体の中での役割を担ってほしいという思いだと受け止めています。私も又、自分達自身が作り出した問題としてそう思います。幾度も幾度も失敗し、総括をし、教訓をつかみ、つかんだつもりのはしから、総体の力にすることができていません。私自身は。
 この間の問題の核心は、非合法性を強いられる(ウォンテッドということは、やっていることがどれだけ「合法的」であっても、存在そのもの、生きていることそのことが非合法ということです。)という限界性のなかで、ありのままに人々に出会い、人々との共同の中でためされ、鍛えられる回路を持ちえない、それを意識的に、より強固に創り出しえなかったことの中で、自分達の実体、客観的な姿を見失い、ためされ変革し続ける力を奪われていった結果だととらえ返しています。同志達と共に、まずこの現実、(自分達が見ていない)から、真に誰のために何のために社会を、自分達をどう変革し、どんな社会を今から、誰と共に創り出すのかを問い合い、人々と出会い直し、鍛えられながら、今を克服していきたいと思っています。どうぞ、援助と思って、批判を助言をしつづけて下さい。言い訳も反論もしながらでも、いっしょに考え、創り出してゆきたいと思っています。ガンバロウ!
 報告すべきことも、聞きたいことももっともっとあるけど、少しおちついてまた書きます。いつも、ブッツケでゴメン!
 今、12日の公判の傍聴席から、「ちっとものたりなかった」という手紙が届いた。うん、そうか? よし、次回はドップリのーみつな法廷にしてみせよう。仲間達、忙しい中をいつも傍聴をありがとう。今は、あまり顔を見られないけどしっかり背中で熱をうけとっています。みんなお元気で!
                                  ゆき子

PS. 将司君の「友へ」は、救援の仲間にプレゼントしてもらって、しっかり読みました。私は身内なので将司君の句そのものについてナンダカンダ言いませんが、辺見さんの序文と斎藤さんの解説が、句の重みをドーンと数倍にしているようにも思いました。何故か勇気のわいてくるいい本です。読んで下さい。


YUKICO
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