支援連ニュース No.236

力と心を一つにつなぎあって歩を進めよう共に!

2002.04.11 浴田由紀子


 お元気ですか。
 早くに暖かくなって、桜も咲いたのに、何だか追い立てられるような不安な春です。あんまりにいろいろなことが、あっちこっちで、次々におこっていて、一つ一つに目を止め、何だろう? と考える前に事態はドンドン先に進んでしまって……気づいたら、とんでもない状況の中にいるみたい、という感じがします。情報の共有が安易になって、世界の向こうのことまでわかりやすくなった側面の一方で、本当に大切な、共有すべきことそうでないことの峻別の力がおくれたままに対応できなくなってしまっているのか……それをまた利用して「おくれた大衆」の目をくらませるようなマスコミ操作もなされているのだろうし……よっぽどしっかり自分を持っていないとだな。
 将司君が前号で、「旧赤の諸氏のパレスチナについて……今はよそ事なのだろうか?」と書いていましたが、イスラエルの暴挙にハラワタがにえくり返り、どう私達はすればいいのだとあせる気持はかわりません。
 3月31日の朝日新聞は「何故過激派を抑えられないのか」という見出しでアラファトの「指導性」を批判していました。とんでもない!! その前に「何故世界は(世界の良識と自称する「民主国家の指導者」達は)何故シャロンの暴挙を抑えられないのか!!」と問うべきです。そして「平和で、安全な民主主義国にいる私達自身が、何故イスラエルの暴挙を抑えられないのか、反戦・平和のイスラエル人を支援し、連帯し、パレスチナの人々をいっしょに防衛できないのか、と問い返すべきです。
 今の状況の中で、シャロン・イスラエルの暴挙を阻止し、パレスチナの人々を解放する力はもはやパレスチナにあるのではなく、パレスチナの外の世界にしかなくなっています。パレスチナの人々の持久する闘いを、外からのイスラエル包囲によって支援・共闘することによってしか、状況を打開しえないところまできています。ヴェトナムで、82年レバノンでのイスラエル包囲の時に、世界がしたように、何故今世界は、イスラエルを包囲し、侵略も抑圧も許さない、陣形を作れないのだろうか。3月末頃からようやくヨーロッパのイスラエル批判・ボイコットの運動のニュースが伝わるようになりました。
 この国の中でじゃあ私達はどうするのか……本当に獄中にいるのは申し別けなくてくやしいことだけど……31日の新聞には、3月30日パレスチナ土地の日の日本での取組は一つも報道されていなかった。日本ではパレスチナのことは本当によそごとでしかないのだな……と自分達の不十分さを痛感したけど、誰も取組まなかった訳じゃない。各党派の機関誌を見るとあっちで30人、こっちで80人…50人、40人……小規模な集会はけっこう行われている。……闇夜の中で線香花火をバラバラにともしても……誰にも何も見えない、灯している本人達だけが、小さな炎の中でニンマリ笑っておしまいでしかない、けど、30人と80人と50人と……が、一同に合したら……それは他の人々の目にも見える「一つの力」になっていくはずだと思うのに。どうしてそういう取組みをしないのかと思う。私には各グループの「パレスチナ連帯集会」というのが、本当にパレスチナで今窮している人々と連帯し、彼らの今を打開していくものとして取組まれたというより、「連帯しているつもり」を確認し、「闘っている私達」にニンマリするためのものにしか見えない。実際に苦しんでいる人々を前にして、自分がヘゲをとることや、自分達のの方式でやることに何の意義があるのだろうか。どうパレスチナ解放の力を有効に「物質化」するか、実際に抑圧者を制し、パレスチナ人民を支える力にしていくか、今こそ、智恵と力をしぼってほしい。いいかげんセクト主義がどれだけ人民の利益を損ね、人民の力を四散させて敵を利して来たかをとらえ返してほしい。
 闘っているつもりや自己満足な取組みではなく、今を打開するためには、何が必要かを真剣に考えて、そのために自分達がどうすべきかの側から、力を一つに、有効な力にしてほしいと切実に思う。「市民は無関心」という人がいるけど、私はそうじゃない、そうさせているのは、セクト中心でバラバラな集会しかうてない活動家の側だと思っている。集会やデモに参加したくても、「○○派集会」じゃあ…パレスチナ連帯の意志以上のものが問われることになって…そりゃあビビル。しかし、「大連合」だったら、一人の市民として参加できる。市民は無関心で何も考えないのじゃなくて、行動の場を奪われている、締め出されてしまっているのだということに気付いてほしい。
 かつて、ヴェトナム反戦をこの国で市民の運動にし、大きな力にしたのは、市民に開かれた、取組みだったのではなかったか。自分達自身の(せっかく何十年も反体制や反戦や国際連帯をやってきた)経験と教訓に自信をもってそれを生かして闘っていこうではないかと思う。
 イスラエルがパレスチナキャンプを武器で包囲するなら、世界中のイスラエル大使館を我々は人間の鎖でとり囲もうと考えてしまうのは、“過激派”な発送だろうか。
 とにかく外で活動する人々には、あなた方が支援し連帯したいパレスチナは一つで、批判し打倒したいイスラエルは一つなのだから、あなた方の力をどうか一つにして太く大きく、敵にも味方にも見える存在にしてほしいと願っている。路線論争もヘゲモニー争いも、どうしても必要ならまず目の前で日々殺されていく人々を救ってからゆっくりやったらいい。
 3月30日、かつてリッダ戦士達の同志であり、パレスチナ連帯をライフワークとして担ってきた桧森孝雄さんが「シオニズム・シャロンによる侵略と虐殺そして人種差別に対するパレスチナの人々の抵抗を無条件に支持します。平和的であれ、暴力的であれ、人間の尊厳を回復するための抵抗を無条件に支持します」というメッセージを残して自らに火をつけて自決してしまった。彼を一人、死なせてしまったものが、そしてパレスチナの地で日々自爆闘争やあるいはイスラエルの放火の下で死を強いられている人々を殺しているのが、一人シャロンやブッシュやイスラエルなのではなく、真の敵に対して力を合わせて共に立ち向かえない、そうしようとしない我々自身なのだということをかみしめている。死んでしまった者達の夢や望みや意志や無念やをひき受けて闘いつづけられるほどの力は私達にはない。だからこそ、死なせる前に、いっしょに生き闘いぬく方策に生かし合うことに力をつくそう。切実にそう思う。
 3月11日に裁判が結審して、かなりホーケな3月をやっていた。末になって、将司君と利明君からの、最終弁論と陳述を読んでの感想が届いた。二人の「よっし!!」という感想を聞いて、ようやく私も「よっし!!」と、何だか一つの仕事をやり終えた安心につつまれた。彼らの言葉に、多くの思いを受けとめつつ……それでも「まあなんとかよかった」と、とってもうれしい。そして、これからもいっしょにこの「よっし!!」をつみ重ねていきたい。ありがとう!!
 さあ、宿題の「和君の本」だ。全ゆる種類の智恵と力とハッパとドウカツと……何でもうけつけ中です。ガンバレ!!
 お元気で。力と心を一つにつなぎあって歩を進めよう共に!
                           ゆき子


YUKICO
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