支援連ニュース No.240

脳ミソが湯ドーフで仕事が進まない

2002.08.16 浴田由紀子


 暑い日が続いていますが、お元気ですか。
 獄中というのは、暑さ寒さに対して逃げ場がない。さすがの私も今年の暑さには「脳ミソが湯ドーフで仕事が進まない」と開き直って、一日中ダンスザンマイ、あせもだらけになってホーケています。みんなはだいじょうぶですか。外の人たちは、せめて獄中の分までしっかり夏を楽しんで下さいね。「どこかで、だれかが私の分まで楽しんでくれているのだから、いいじゃないか」とでも思わないことには、とってもやっていられません。そうして楽しい夏の報告をドンドンよこして下さい。
 さて、浴田裁判は検事控訴です。あんなに身びいきな判決をもらってなお不満があるというのですから、検察もたいした根性です。何が何でもこの私を「終生無期判決第一号」にして、すでに既成事実化しつつある「特別無期」だの、「実質終身刑」だのに裁判所をまき込んで「司法も認める終生無期」にしてしまおうということでしょう。そのためのかっこうのカモに名指しされたというわけです。私は「人々の役に立ちたい」とは言ったけれど「人々を弾圧する人々の役に立つ」つもりは全くないので、これは、固く拒否ですね。
 死刑制度廃止議員連盟の一部から出されている案の中には、死刑制度廃止を当面の前提としないままにまず終身刑の導入をして(流動化を)というのがあるそうですが、とんでもない話です。「終身刑」あくまで死刑の代替として、であってそれぬきに導入してしまえば、今回のように求刑(運用)の権利を一手に握っているのが検察の重刑化をねらう人々である以上、重刑化の用に使われてしまうことははっきりしています。あらためて、時代の転換点の裁判を問われていることになるのかもしれないと気を引き締めています。そして何よりも、いっきに「ちぢめてみせよう!!」ですね。検察の主張まるまんまの事実認定や「超法規」は判断回避してなかってことのようにふるまう司法の無責任をそのままにするわけにもいきません。いろいろな方からもらったはげましの中に「検察控訴審はじっくり時間をかけて損になることが何も無いので、じっくり取り組んで下さい。あわてることはありません。」という主旨のものが何通かあって心強くしています。今はまだ「ヨーッシ!!」と気合ばかりで、具体策はできていませんが、ボチボチと、じっくりと、またみんなの智恵も力もかりて、検察には控訴したことを後悔してもらおうとはりきっています。
 アフガニスタンをズタズタにして、もうこれ以上武器を消費する口実も対象もなくなって、アメリカはこんどは次の戦場とその口実をモサクしている。軍需産業を生かしつづけるためには、常にどこかに、戦争が必要になってくる。貧困が問題なのでも格差が原因なのでも、宗教や民族が問題なのでもない。軍需産業の経営をホンの何%か削減しさえすれば世界はすっかり「平和」になれると思うのは単純すぎるだろうか。ヴェトナム戦争の時、戦車の運搬を止めた人々がいた。武器工場に「生産はおやめなさい」とビラをまいた人々がいた。敵がムチャクチャでやたらに強い話をくり返すよりも、今もっている私たち自身の力を合わせ、使って今を変える方策を考え合い行動し合いたいものだと思う。パレスチナにも、アフガンにも、イラクにも、人々は私たちと同じようにささやかな日々を営んでいるのだから。
 ところでシャコの出獄準備だけど、私がドキドキしてどうする? と思いつつ、あれも見せたい、これもみせたい、あの人にも会わせて、これを会わせて……と計画はつきない。シャコはしっかり囲碁のウデをみがいておいてほしい。エスペラント語で世界旅行というのもわるくはないが……言葉というのは例え万年赤点でも何とかなるものだ。しかし囲碁はそうはいかない、ニッコリ笑おうとうなづいてみせようと、敵は敵だ。
 私はもう4ヶ月余になるのにちっとも上達しないで挑戦状1本書けないでいる。将司君も利明君も始めたらどや、「弱い仲間求む」というところか!!
 今回もとうとうしめ切りを3日もすぎてしまって、発信最終時間ギリギリになってなお、このていたらくだ。本当にホーケ状態で申しわけない。来月はもすこしシャキッとした話にしたい。
 みんなどうかお元気でいて下さい。あつさにも反動にもまけないでガンバロウ、共に!!
               ゆき子

 PS.3月に行った最終陳述をインパクションにのせてもらえることになりました。9月発行です。ヨロシク。


YUKICO
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