支援連ニュース No.246

外気のない日の当たらない空間に閉じこめられようとも

2003/03/20 浴田由紀子

 こんなデタラメな口実で戦争を強行するブッシュと、それに無条件に追従し「支持する」と叫ぶことしか出来ない小泉のデタラメはぜったいに粉砕しなければならない。
 強硬派のあまりの無原則、横暴に比して、戦争は止めさせよう、人類の歴史的教訓と英智の下に世界共存を実現しようとする人々の力がまだまだおとなしすぎるようで、戦争は始まりそうですが、まさにこの人々によつて人類の歴史は数世紀逆戻りさせられるというべきでしょう。
 本当に、あきれるほど理由がない。!
 「イラクが国連決議を守っていない」と言うのだが、少なくともイラクは湾岸戦争以降、大量破壊兵器の行使を行ってはいないし、たび重なる査察は、彼らが「廃棄していないこと」の証拠が存在しないことを示している。「間違いなくイラクはまだ持っている」とか「テロリストと関係している」と主張するが、その証拠はあれだけの査察のくり返しや世界を網羅する米帝国の情報網を駆使してさえも存在しないのだ。およそ科学的に物事を考える人なら、このヘンで自身の妄想に気付くべきだ。「それでもナオ、危険……」を主張するブッシュの客観的な姿は、自国の情報収集能力も国連も誰も信じない、自分の頭の中だけを信じるといっている以外ではない。(しかしこの人の国際関係史理解がどれほどのものかは有名な話だ)。
 一方でブッシュは、イラクの隣りで数十年間にわたって国連決議のことごとくを踏みにじり、核を含む大量の「大量破壊兵器」を公然と所持し、かつ未だに連日のようにパレスチナ住民を虐殺し、その生活を破壊しつづけているイスラエルの存在については、ひとことも言及しない。「アラブの民主化、アラブの平和、人民の解放」を口にするならまず、このイスラエルを武装解除し、政権を交替させ、いっさいの侵略とアラブ住民への抑圧を止めさせることだ。はっきりしているのは、一連のブッシュの主張も行動も、けっしてアラブ人民のためでも、世界平和のためでもない。アメリカ一国の利益、それもブッシュにつらなる一部支配層の利益のために、世界を動員し支配しようとしているにすぎない、ということだ。
 一連の流れの中でイラクを攻撃しなければならない口実が次々に変わり、イラクに対する要求が次々にエスカレートしていっていると思うのは私だけだろうか? 始めに戦争開始ありき!! イラクが兵器を放棄しなければ困るのでも、民主化がなければ困るのでもない。「戦争ができない」これが一層こまるのだ。ボスニアでそうだったように、アフガンでそうしたように、……気のすむまで破壊と殺戮に武器を消費してしまえば、…「あとは野となれ山となれ…」イヤ、今回は石油施設の獲得まではやるのかしらんが…いづれにしても、平和とか、民主化とかを狙うつもりはない。ひたすら世界の破壊・解体屋!!
 90年代以降、世界の一極支配者として国連を牛耳り下部組織化して、国連を道具に世界を支配しようとしてきた。湾岸、ボスニア、そしてアフガンでは一定それに成功したかもしれないが、今回は目算が違った。世界は今や、アメリカとその追従者対、国連を理念として平和共存を目指す勢力という構図になっていくのかもしれない。その中で小泉は「国連の理念」と「日米同盟〜」との併立なぞという無理な話を外在者的に評して××のひとつ覚えで「支持する」とくり返しているだけで、こんな人に少なくともこの国の有権者の代表を名乗ってもらいたくはない。「北朝鮮のキョーイがあるから……米に守ってもらうためにも……」という主張は全く科学性を欠く…その前に自分で何とかしろよ、私らには平和共存憲法があるだろうが……独立国家としての主体性のカケラもない。加えて、かつてアメリカ軍が、自国利益以外のために、どこかの国や人民を「守った」例があっただろうか?! たしかに今回も「イラク人民の利益(解放)」という言葉は使われている。つい一年前は「アフガン人民の解放」だった……が…そのために殺された幾万の人々は、アメリカが戦争をしなければ死ななくてすんだ……彼らは守られたか?
 アメリカは、自国を「テロリストの脅威」から守りたかったら、まずイスラエルへのいっさいの支援を止め、イスラエルの武装解除に尽力し、侵略地からの撤退を促すことだ。そして、世界中に配置された米軍を解散、撤退し、軍事力によって自国中心に経済的に、イデオロギー的に世界を支配したいという無謀な望みを捨てることだ。「それでもなお、貴国を犯そうとする者があるなら、その時こそ世界があなたを守ってくれる」だろう。この国も同じだ! 私たちは、市民の80%が、米の戦争開始反対、対米追従反対と言っている中でそれを全く無視して「決めています、支持です」しかいわないような首相に退陣をせまり、真に市民の意志を代表しうる施政者をこそ選ぶべきだ。ああいう奴を国会に送った私たちも相当な責任がある。
 連日のニュース、人々の行動のもり上がりに、毎日獄中でワクワクしています。デモに参加した友人の報告はエキサイティングでした。送られてきた写真の真中はU先生で「オウッ」と声をかけてしまいました。歴史の教訓や人類の英智をふみつぶして平気な国にはしないためにも、この国を責任をもって変え合っていきたいです。
 先日行われた重信房子さんの公判では、パレスチナ人のライラハリードさんが、パレスチナ革命と日本赤軍の共同について、感動的な証言をしてくれたそうだ。こんな時に、たかが一人の被告人が30年近くも昔の「事件」を問われる裁判に、彼女のような立場にある人をよびつける私たちのゴーマンをはじつつ、なお、闘い続けてきて良かったとあらためて誇りに思う。そして、「たかが一人に刑事被告人」になりさがって漫然としてしまっている自分をいましめている。「そうだった!」と……。いくどもいくども、初志にこうして、出会い共に生き闘ってきた全ての仲間たちを思いおこして、自分を律しつつ生き闘っていかなければと思う。
 身は3畳間に、外気のない日の当たらない空間に閉じこめられようとも、だからこそ、思いを世界に、広く大きく持ち、そしてつながりつづけて生きようと思う。誰もが人として人らしく、尊び合って生きていける社会を実現するために! お元気で!  共に!
                                   ゆき子


YUKICO
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