支援連ニュース No.254

いよいよ第一回控訴審まであと10日になってきました

2003/11/21 浴田由紀子

 昨日から降り続いていた雨が上がったようです。万葉公園から、東拘の二人へ声援を送る仲間たちがぬれてしまうのではないかと、心配だったのですが、よかった。
 お元気ですか。支援連ニュースの「しめ切り日」をはるかにすぎた21日になって大急ぎでこれを書いています。今頃将司君たちは、東拘内の仮法廷で、キンチョーしながら証言をしているのでしょうか、仲間たちは、万葉公園でヤアヤアと再会を喜び合い元気を分け合い、出廷のために最後の交渉にのぞんでいるのでしょうか。この広がり始めた青空と、強い日差しが、今日のとりくみの行方をうらなうものであることを願いつつ、18年のとりくみのたしかさにやっぱり私は胸をあつくしています。
 私の方は、いよいよ第一回控訴審まであと10日になってきました。ちょっと緊張したり、またみんなと集団再会ができるようになる、とドキドキしたりしています。300タタキは効果がないことがわかったので中断して、今は、腰のばしに熱中しています。
 春に出された検察側控訴趣意書にひき続き、検察官からは、8月末提出の我々の趣意書への答弁書及び全15cm位のぶあつい検察側書証というのが提出されました。
 ところが、何とそれは、内10cm分位がインターネットから引き出したサミット決議文と、67年10・8羽田闘争から昨年10月のバリ島でのディスコ爆破までの、いわゆる爆弾闘争と日本赤軍の各闘争に関わる新聞記事のコピーです。もちろん74〜75年の東ア反日武装闘争関連のものもありますが、何故だかいわゆる「狼前史時代」のものはありません。各記事内容も「立証方針にそってそのうらづけ記事をあつめた」というより機械的にバクダンとか、日本赤軍とかで検索して出てきた日付の一面と社会面をとりあえず重ねてみましたという感じて、他人ごとながら「おびに短し襷に長しだなこりゃあ」とせっかくの努力がもったいない。それでもこのぶ厚さに示される「何が何でも無期に」という迫力だけは、しっかりと感じることはできます。ただ被告人としては、ここへきて爆弾闘争一般や歴史的世界的な反体制あるいは反グローバリズムや反侵略……の闘争の何もかもをこの小さな法廷に持ちこまれてもなあ、という気になってしまいます。そして、それならそれでやっぱり、もっと大ように太っ腹に「おう、世界中の全革命派の不徳は私自身の不徳であります……」という立場に立って、ひたすら、世界中の革命派の弁明と擁護に努めるべきなのだろうか、事実誤認を是正して……必要以上の重刑は拒否して……是は是・非は非……なぞというみみっちい泣きごとを言っている場合じゃない、世界支配派とそれに抗する人民の抵抗の最前線を担っているのだと喝を入れられているのかしらん。どっちにしても、ゆだんはならん緊張と全力・全能力体制でとりくむしかなさそうではあります。
 今回提示された書証の中には、三井闘争の時に負傷させてしまった四人の警察官の最近の供述が含まれています(三井・大成の負傷者のうち二名がすでに亡くなっているのですが、他の方のものは何故か出されませんでした。)。第一審での証言、裁判に提出されていた被災直後の供述調書もそうですが、被害者にさせてしまった方々の率直なお話に接することは、しんどいけど「裁判をやれて良かった」と思うことの一つです。自分(たち)と自身のなした行動の客観的な姿に気付く契機になりうるし、どうしても自分たちのあるべき姿や、「革命の利益」の側からしか発想しえない総括や反省・自己変革の方向を客観的にさし示してくれる可能性をもつものだと受けとめています。いろいろな裁判でもっと自由にご自身の言葉で書き、語ってもらえるようにした方が、被害者自身にとっても被告人にとっても、裁判が次のステップへの力になっていくのではないかと思っています。

 最近のニュースの中で気になったことの一つに中国西安大学での日本人留学生の「ワイセツ劇」の件があります。中国人学生の抗議へのいろいろな見方、意見があって、この国の革命派の中には、中国当局が中国人学生たちの抗議行動を制圧したことを言論弾圧等としてこの国の反体制派が問うべき主要な問題であるかのように論調しているところもあるようです。
 しかし、私はには、ほとんどの意見がこの日本人学生たちの「文化」水準とその中味を問題にしようとはしないことこそが大きな問題のように思えます。学生たちは「笑ってもらうことが目的で〜どうして中国人学生が怒ったのかわからない」と言い、「中国の思想・民族性ならびに風習などに対する認識の欠如から……」と言っているそうですが、まず、中国の大学でやったから人々は怒ったのではない。日本であろうと中国であろうとアメリカであろうとフランスであろうと……女たちをブジョクし、自国文化をブジョクし、人間としての尊厳と品性をおとしめるはずべき行為であることにこの「セックス産業大国」の女も男も気付かないのでしょうか。私なら、日本の大学祭でやったって、抗議はくるはずだと思うのですが……。
 そして、そうした留学生たちの「日本でならあたりまえ」の「文化」水準と感性が、とりもなおさず、軍靴をはいて日の丸を持って彼らの大地を蹂躙し、女性たちを強姦し、「従軍慰安婦」にしてつれて歩いた日本軍国主義者の、そうして今なお企業の社員慰安として他国への集団買春旅行が公然と行われる国の「文化」水準であり感性であること、そして社会の指導的役割を担うべき大学に軍国主義者や買春旅行者とひとつながりの同じ「文化」水準と感性でのりこんできた者たちへの怒りではなかったのでしょうか。
 ニュースは、園児や小学生の少女たちに防犯ベルを持たせることにしたといっています。この不健康なセックス産業のハンランを野ばなしにしてです。教育水準は、日の丸をかかげさせるとか君が代を歌わせるとか愛国心とかなんとかいう前に、一人一人の人間としての尊厳を、豊に尊び合い育み合うことにまず力を入れてほしいと、切実に思います。この留学生たちに「アンタ人間としてはずかしいよ!!」とだれかちゃんと言ってあげてほしい(とオバサンは思ってしまいます)。
 そして、それでも小泉・石原らは「自衛隊をイラクに派遣しなければならない」と言いつづけるのでしょうか。小泉君もここらでキッパリと「我が自衛隊員を一人も死なせるわけにはいかない、ブッシュ君と米ネオコンのタイコ持ちをやるよりも、我が国民の生命を守ることの方が大事だ」とでも言ってみせたら、どんなに人々が「カンドー」することだろうかと……まあ我が小泉君に入れ知恵するスジアイでもないのだが……
 派兵絶対阻止! ひたすら米英軍の撤退を求め続けよう! パレスチナを開けわたせ!
 時間になってしまった。12月2日公判、6日集会、そして「戦が待っている」発行と忙しくなりますが、みんなお元気で。ガンバロウ 共に!           ゆき子


YUKICO
inserted by FC2 system