第36回公判(97.12.11)出廷記

    SAIKAIは公判のハイライトに
                    浴田由紀子

 裁判は今日から3年目に入った。間組本社ビル爆破に
関して、時限起爆装置鑑定の滝沢氏、爆弾の缶体であっ
たとされる明治粉ミルク缶鑑定の小林氏、同ビルから持
ち出した残渣物の選別作業責任者の森島氏の3人が証人。
 滝沢氏の証言は、湯浅さんの傍聴記に詳しいので略す
が、企業爆破なら『腹腹時計』方式に違いないという、
予断と偏見で鑑定も整合させようとしたように見える。
しかし、プロのわが弁護団が追求していくと矛盾が出て
くる。それにしても、自分たちのドジの積み重ねが、こ
こに至って鑑定人に「詳しく調べんでもわかる」条件を
与えたのだ。くそーっ!
 小林氏は、ミルク缶の字の鑑定を行った。なぜ明治粉
ミルク缶かは不明。対照サンプルとの相互関係は明示せ
ず「サンプルに類似』という結論。また、鑑定内容の一
部を「私は担当しておりませんのでわかりません」。こう
いう場合は、鑑定書の半分しか採用できないよね?
 最後がスペシャル、赤坂署で残液物の選別作葉を行っ
た責任者の森島氏。検事は、爆発現場の見分と、赤坂署
での選別作業が一貫したものであると証言させたいらし
いのだが、証人は、『現場は知りません。私は選別しただ
け」とかみ合わない。しかし、ここでは、爆発現場の見
分と選別作業が同一の指揮下で行われ、異物の混入や証
拠物の損失が起こり得ない状況であったことの証明が必
要なのだ。検事の加藤君は焦る。しかし証人は、前日(お
そらく)の打ち合わせのスト一リ一でないとついていけ
ない。結局、実況見分の責任者と、報告書を書いた者、
特捜本部員、選別作業の責任者とか、ともかくいろんな
担当者がいて、誰がすべてを統括していたのか、どうも
よくわからないのである。そうであるなら、発見された
といわれている証拠品も、誰かがどこかから持ち込んだ
か、引っこ抜いたか、アヤシイ代物なのだ。やればやる
ほど、ブラックホールは深くなる。どうして?
 次回は、爆発物の必殺鑑定人、荻原氏を迎える。請う、
ご期待!
*SAIKAIに向けて、活動開始です。ゆきQも新装
開店です。98年も力を合わせて進めます。初夏に予定さ
れるSAIKAIは、この公判のハイライトになるでし
ょう。共に!


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