YUHIQ SCHEDULE MAIL No27

第三十回公判出廷記

浴田由紀子

 いつのまにか浴田裁判も今日で三十回になった。絶えることのない傍聴・監視・激励を続けてくれている仲間達、公判準備に情宣に、さまざまな形での支援をしてくれている仲間達と、ますます味の出てきた我らが弁護団に、ありがとう!
 今日は、他の大成証人が見つからないために、大成の証人一人と間組爆破闘争に関わる証拠の認否をやることになっている。弁護人から送ってもらった間組証拠等関係カードには、一五五点の証拠が並んでいる。三井・大成の二・五倍だ。そうだ!間組闘争には始めて三グループの同時作戦だったのだ!ていねいにつめていこうと思う。私達はそのうち、検分調書・鑑定等の六六を不同意に、声明関係の二点を留保して他を同意した。ワクワクの宝探しは続く。
 今日の証人ワシミという元デカは、さすが公安一課と内調を歴任しただけのことはあって、言うことやることがいちいちふるっている。彼がやったのは、大成闘争翌日に声明文を「受け取った」と言われる新聞社が任意提出を拒否したため声明文の宛名とはまったく無関係な公安デカが、自分に当てて任意提出したという「任意提出書」をデッチ上げて、それをワシミが領置したという工作を行なって法廷証拠に持ち込んだ。その“犯罪的な”手口を含めて問題にされることになった。
 彼は二十年前にも統一公判に出廷して声明文入手過程の不透明さを白状していたのだが、二十年の歳月は彼をして、「忘れました」ことを「忘れました」とは言わないで、新しい都合のいいストーリーをぬけぬけと展開してみせるという「厚顔の蓄積」の時であったようだ。
(弁)「“任意提出書”は誰が作ったのですか」(二十年前と同じ質問)
(証)「私です」(当時、第三者加賀と答えていた)…ので被告人はクレーム。
(弁)「前の公判で言われたのと違いますが」
(証)「いや、私の責任において作っているということです」と開き直る。
(検)があわてて弁解する…。
 この声明文の信用性を担保するはずの任意提出書の真偽に関わることなのだからしっかりと(検)と打ち合わせるなり、前のストーリーと矛盾させないくらいの準備はしといてほしかったよな。声明文は全部で三通あったらしい、しかしその証拠は提出されていない。また、受け取ったと言われている三つの報道機関(?)のどこからも任意提出されたわけでもない。法廷に持ち込まれた「朝日新聞への声明文」というのが確かに朝日から持ち込まれたのか、担当のデカがどこから持ち込んだものなのか…何の確証もない!
(弁)「どうして真実の提出書を書くことにならなかったの?」
自分は直接その新聞記者にあったわけではない。理由を聞いたわけでもない。と言いつつ、声を荒げて証人は、「…本件の場合八月三十日の三菱重工とかで大変大勢の人が殺傷されている。犯行声明もまさに無差別で…当然そういう者に出したくないというのはアタリマエのことで。いかなる理由で出したくないと言っているのかは解かりませんが、当然私達、保護しなければならない!」と演説!この部分、二十年前は「××部長が…私はいっさいわかりません」と言っていたのであるが……。
 ここのところちょっと点をかせいでいるかなと思っていたら甘いかも知れない現実を突きつけられた。今日の法廷で取り上げられたわけではないが、五月に行なった入国カードの筆跡鑑定の結果が提出されていて「同一性が判定できない」なぞという逃げ腰なことを書いてあるらしい。鑑定人もプロなら、はっきりイエスかノーか言わんかい!シロートの私が見てもチャウ人の字だ!クソーッ!私かていろいろな筆跡を使い分けて「全て別人のように」字を書ける余裕があったら(その位のことはヤリタカッタよな!?)救援の仲間達も弁護人も、恋人だって浴田からの手紙に泣かされることはないんじゃあ!こんなだったらいっそ「本人による巧妙に筆跡を変えたものである」位言わせるほうが名誉か?!しかし、「お分かりにならない困りましたね」で済ませるわけにはいかないので、さらに追求していくことにします。
 闘いは続きます。さらに熱く!九月までお休みです。みんな暑さに負けないくらいお元気でいてください。私は文章化が宿題です。彼らとの“再会”に向けて、秋には準備も具体化します。中間達、暑い中をありがとう! 再見!


第三十回公判傍聴記

 切手も公安もナメたらあかんで
 七月一八日公判を傍聴して…
 今日の証人は大成建設事件の声明文を領置した公安。朝日新聞東京本社に送られてきた声明文を新聞社の人間が警察に届けたわけだが、「任意提出書は作りたくない」とのことで、それを受け取った公安第一課長が任意提出者となって、それを証人が領置したのだそうだ。新聞社としては警察に協力した記録をおおやけに残したくないのだろうか。検事側は前回と同じく(法廷前の出廷者名札によると)加藤昭と志賀こず江で、志賀が主に形式的な尋問を行ない、加藤がそれを補ったり裁判の進行関係について述べるという組合せ。封筒に張られた切手の一部が切り取られているのは唾液の鑑定に回したかららしい。切手も公安もナメたらあかんで、ということか。封筒には(1)(2)の書込みもあって、それは指紋を採取した位置を示しているとか。弁護団からの「貴重な証拠品に直接書き込んだりしていいんですか?」という追求には有耶無耶な返事をしていた。証人というのは当たり前のことだが主尋問のときはテキパキと答えるが反対尋問になるとシドロモドロになるのが一般的。傍聴の楽しみはもちろん後者にあるが、私は時間の都合で主尋問が終わったあたりで退席することが多くいつも面白いところを見逃しているわけだ。この日は最後まで傍聴できて良かった。
 秋からは間組の事件が取り上げられるが、証人の所在確認も大変らしく、誰が呼べるかわからない状態だという。大成建設事件の証人もまだ残っており、都合のつき次第、またやるのだという。ぎりぎりまで登場するのかしないのかわからない証人に備えて準備しなければならない弁護団も大変であろう。コピーとりしっかりやるからネ。


 ゆきQ・帰国者・再審研・支援連
  合同合宿をしませんか?

        1997.5.6 ゆきQ会議:提案J2
主旨
 ゆきQでは次の展開(集会)を求めてさまざまに提案されてきましたけれども、決定打?がなく、やや会議も盛り上がりに欠けています。YUKIQスケメイ、ゆうき凛々、弁護団会議、傍聴、面会、差入れ、財政等の基本的実務(?)作業はそれぞれ担当者・会員各位の尽力により粛々とこなされていますけれども…。しかし、裁判のほうもまた負けずに粛々と(?)と進行しているわけで、手をこまねいていると後追い的になりかねません。浴田裁判の支援をどのような形で広く訴えていくのか、レバノンでの逮捕・拘禁、丸岡無期懲役判決といった日本赤軍への弾圧の動きにゆきQはどんな立場から関係するのか、帰国者の裁判を考える会に任せることと任せられないこと等、考えなければならないことは多いはずです。
 再審研では第二次再審が思いのほか長引いていて、これはどうも、浴田裁判の展開を配慮しているのではないか、との予想があります。そのこと事熊はこちら側の主張でもあるわけで悪いことではないのですが、早期棄却対策として準備された第三次再審案も形が出来つつある今、当面急を要する課題がなくて、かなり会議も盛り上がりに欠けています。こうしたときこそ長期的な展望や、新たな視点を出し合い、じっくり検討する機会を持とうと、以前の再審研の会議で「合宿」の話が出ました。
 そこで、狼再審に浴田公判が密接に関連し、浴田支援に日本赤軍弾圧の問題が密接に関速していることをふまえ、上記のような課題を共に考えるとともに、微妙に交差する各メンバーの交流を図る機会としての合同合宿を提案します。自然に恵まれた良い場所なので、この4団体に関心のある人、関係のある人を誘って味の濃い合宿をしましよう。

4団体合宿
日時・9月6日(土)午後から7日
(日)正午までの予定。
場所・埼玉県内詳しくは大道寺まで
TEL 03−3952−6091
費用・一泊二日二千円(飲物各自持参)


投書

初めて浴田さんを見たぞ

 このあいだ一八日の公判に行きました。初めて浴田さんを肉眼で見ました。ゆきQの人に、感想は?と聞かれましたが何と言ったらいいのか、ウ〜ン、と考えていたら彼が「初めてパンダを見た時みたいな感じかな?」と言ったので、僕も思わず「アア、それも言い得て妙ですね!」なんて言ってしまいました。どうもスイマセン
…「エバア」のコメントより
       (それや−ゆきQのヤツが悪い! W)

8・19奥崎凱旋

 ひまなので街をブラついていたらすごいチラシを見つけてしまった。それには『出所当日のイべント8・19奥崎凱旋』と書いてあるではないか!気がつくと私は、五枚ほどそれをゲットしていた…。ついでと言っては何だが、詳細を報告しておく!
 ◎イベント名 ゴットワールド近未来実現前祝い・神軍平等兵奥崎謙三 全快出獄凱旋祝い
●開催日一九九七年八月十九日
●開催会場杉並公会堂
●開場時間 正午
◎イベント種日 講演『万人を救うために尽くす』 映画『ゆきゆきて、神軍』
◎主催者万人を救うために尽くす神軍のゴットワールドをつくる会(G.W.C.A)TEL 3317−3942
重松修…。以上、若干省略。
            新宿区 キューティーハニー

またアニメ観ました

最近、宮崎駿の新作アニメ『もののけ姫』を観ました。「この作家のアニメにしてはよく出来たほうだ」と言いたいところだがやはり、メッセージ性の希薄な作品になっている。先住民のエミシを取り扱っている点は、これまでのアニメ時代劇に無かったことで新しい試みであるが、もっと「大和」との闘いの側面をクローズアップさせてほしかった。獣達と人間達との闘いという点に『寓話化』させてしまって、全体としてオコサマランチになっているのがとても借しかった。
           中野区 叢蛛劔児


レバノンの日本赤軍5名に対する
ベイルート地裁判決に思う…

            1997.8.2 叢蛛劔児

 この7月31日、ベイルート地裁において「旅券偽造・同行使罪」などで起訴されていた日本赤軍メンバー5名への判決公判が行なわれたのは皆さんご存じの事と思います。公判の詳細については、新聞等で報道されているのでここでは特に述べませんが、私の個人的な感想だけ述べさせてもらいます。
 ベイルート地裁の裁判長アブダルサマド氏は、この件について「政治的な事件ではなくあくまで個人的な犯罪」と述べました。裁判長はこの裁判において政治性の介入を否定するかのごとき判決を言い渡したのです。私は納得できません。なぜならば日本赤軍のメンバーが国家治安当局によって身柄拘束された事の背景には、隣国シリアやイスラエルの政治的圧力、アメリカ情報機関による不当な策動、そして日本政府による政治的圧力など政治性の介入が事実、行なわれていたとみてまず間違いないからです。それに、82年にイスラエルがレバノン侵攻を開始した当時、日本赤軍はレバノン内の各民兵組織の一員として防衛戦闘に参加していたわけですし、その戦闘の中でやむを得ずパスポートの更新が出来なかったり、紛失しても不思議ではないのです。
 それが今現在、平和が戻ってきたからといって、かつて反イスラエル闘争を共に闘った日本赤軍メンバーをレバノン司法当局・国家治安局員が、このメンバー、さらには一緒にいたレバノン人針灸師と3名の日本人を「不法滞在者とその支援者」という理由で「取り締まる」事が出来るというのがおかしい。(日本赤軍が「レバノンの国の為に闘った」などと言う意味の弁解ではなく、日本赤軍が裁かれるならば同時にレバノン政府・治安当局も裁かれるべきだ!!)レバノンなりのその国情に合った司法の公正に鑑みて裁判長は判断をくだすべきでした。
 日本赤軍メンバーが現在に至ってもなお、パスポートの申請を大使館にせず、偽造パスポートの行使などをせざるを得なかったのかについては、日本政府が不当にも日本赤軍の革命の意志を理解せず!!国際指名手配なんぞにしたのが悪いのだ!これは、不当な人権の侵害であると私は思います。よって「個人的な犯罪」として裁かれたこの判決はまったく不当であり、破棄院への上告はまったく当然の事であります。ましてや彼・彼女らの日本への引渡しなんぞになろうものなら、アラブ人民は黙ってはいません、日本でも真実の情報が正確に伝わるようになれば、おそらく大変な事になるでしょうから止めたほうが良いでしょう。(マスコミの権力情報のタレ流しはいただけませんが、現地の大使館員が日本政府に都合の良い情報しか、マスコミに流さないので致し方ないと思う)なお、一部の公安警察・内調関係者は現地レバノンで動きまわっているようですが、わかっていて自分から危険に身をさらす事などしないほうが利口というものです!!家で家族が待っているのならば、念の為…!!


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