益永利明さんの獄中雑記

支援連ニュース No.165

▼『支援連ニュース』163号に載ったシャコの手紙につ
いて少し。
 @「トシの消費税肯定論は粗雑」というのですが、消
費税を10%くらいにして間接税の割合を増やすことは、
社会のコストの平等の負担という理念に適っている――
という考え方のどの辺りが「粗雑」であるのか言ってほ
しい(私の説明は若干単純化のしすぎであるかもしれま
せんが、何が言いたいかは伝わるはずです)。「粗雑」と
いうレッテルを貼るだけでは、議論にも何にもならない
でしょう。
 A「護憲派」云々は議論の本筋と無関係ではないか。私は、
『ごましお』上での種々の議論の流れの中で、私がいわ
ゆる「護憲派」とは異なる政治的、思想的立場をとって
きたという事実をいおうとしただけなのであり、護憲派
「だけ」が消費税に反対しているといっているわけでは
ないのです。だから、この点のシャコの批判は、消費税
問題についての議論としては的外れのように思えます。
 B「消費税盗る前に大企業優遇税上げる、法人税上げ
る(……)等々やっておくべきことがある。」というのも、
よく耳にする議論だけれども、こういう議論こそ“粗雑”
なサヨク的思考というべきものではないかな(法人の収
益も、元をただせば勤労者の汗の結晶にほかならない。
法人税の形で国の財布に入るか、所得税や消費税の形で
国の財布に入るかは、経路の違いにすぎないのです。)
税金は金持ちからとれ、増税の前にムダづかいをなくせ
等々、そういう議論が全く根拠のないものだとはいわな
いけれど、私がいおうとしたのは、直接税中心の日本の
税制が、税の平等な負担という原則をあまりにもゆがめ
るものになっていないか、という原理原則に関する議論
なのです。一方に不正・不平等があるからといって、他
方の不正・不平等を正す必要がないとはいえないでしょ
う。税金が公共の諸制度を作動させるのに必要不可欠の
ガソリンであるなら、社会の成員がなるべく平等にそれ
を負担していくべきなのは当然のことです(税金が少な
い国が良い国――ではないのです)。そして、間接税は、
直接税と比べて脱税がしにくいし、だれもが同じ税率で
負担を課せられるわけですから、平等という点でも判り
やすい。直接税中心から間接税を併用する税制への移行
は、それまで税金をあまり払わずに暮らしてきた人たち
にとっては増税になるけれども、どちらが本来のあり方
なのかは、おのずから明らかであると思います。
 ▼以上、とり急ぎ書きました。みんな元気で!!
                96・4・5  利明


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