益永利明さんの獄中雑記

支援連ニュース No.170

▼支援連ニュース167号、168号を読みました。浴田さ
んの参加で、以前より誌面に活気が出てきましたね。しかし
芳正の消息がめったに載らないのは、少し淋しい感じがしま
す。
▼将司の二回にわたる応答を読ませてもらいました。理
論的反省を共にさらに深めていこう。/彼は以前、「反日と
いうのは反権力であり、…自ら権力を握ることを予定しない
思想と立場だ」(165号)と書いていました。しかし、私
に言わせれば、武闘それ自体が、ある種の権力の行使なのだ
と思う。権力というのは、己れの意思を正義として他者に強
制する力のことでしょう。武闘をする者は、まさに武力によ
って、己れの意思を正義として他者に一方的に強制しようと
しているのであり、現存の国家権力に対抗する非合法・非公
然の第二の権力をもつ者として行動しているわけです。「自
ら権力を握ることを予定しない」どころではない。いま直ち
に権力者として、しかも民主的、法的な制約を一切受けつけ
ない無制限の独裁権力者としてぶるまうこと。これが彼の唱
える反日武装闘争の本質なのではないだろうか。
 社会の不正に怒り、それと闘うことが、すべて権力的な行
動であるわけではありませんが、その闘いの手段として意図
的、組織的に暴力を用いるのはすべて権力的行動です。であ
るからこそ、そのような行動をあえて起こす者には大きな責
任が課せられる。それは、正当に樹立された国家権力に課せ
られるのと同等の政治的、法的責任です。この責任の重さを
自覚せず、不正への怒りだけを根拠に暴力を行使して、あと
は野となれ山となれというのでは(彼はそれを「捨て石」な
どと美化している)、そのような行動は単なるテロリズムに
すぎないと非難されてもしかたがないと思うのですが、どう
でしょうか。
▼消費税に関するシャコの反論について少し。@幼児が買う
お菓子に消費税をかけるのが、なぜ不平等ということになる
のかな。同じお菓子を(幼児のために)母親が買うときは、
消費税をかけても不平等ではないことになるのかな?それで
は、かえっておかしなことになるでしょう。Aいわゆる担税
力の差から生じる負担感の違いはもちろんあると思うけれど、
税率が単一の場合、高所得者の負担感が相対的に小さくなる
のは、彼らの収入の絶対額が大きいからであって、課税が不
平等だからではありません。消費税は、社会の成員が共同体
のメンバーとして支払う最低限の会費のようなものだと考え
ればよいのではないでしょうか。我々が日常、無意識に利用
しているさまざまな公共の施設やサービス(道路、橋、消防
等々)を維持するのにどれほど多くのコストがかかるかを考
えれば、社会の全成員に同率でそのコストの負担を求める制
度を不平等と見ることはできないと思うのです。財産や能力
の差から生じる貧富の差の是正は、所得や相続財産等にかけ
る累進課税でやればよいことではないでしょうか。


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