益永利明さんの獄中雑記

支援連ニュース No.185


▲ 二一月九日にワッフル、みかん、水仙を受けとりました。
ビデオを見ているときだったので、おいしい洋菓子やみかん
を食べながらビデオを見るという楽しみを味わいました。水
仙の香りも素敵です。どうもありがとう。
▲ 当日見たビデオは松竹映画の「サラリーマン専科」です。
最初の一〇分問くらいで後の展開と結末が読めてしまう単純
な作品でした。人が泣いたり笑ったりするのを見るだけでも、
いいものですね。
東拘は、月二本のビデオのうち一本は映画、もう一本は“
紀行もの”と決めているらしい。“紀行もの”は当たり外れ
が多いため、私は二本とも映画でよいと思うのですが、佐川
さんのように“紀行もの”が好きという人もいるので無理か
な。欧米の拘置所のように、収容者にテレビかラジオを持た
せて自由に視聴させるようにすれば、本や雑誌を買う人が減
って領置問題が解決し、収容者の「心情」も安心して一石二
鳥でしょう。日本の役人も、規制することばかり考えず、こ
ういう前向きの発想をしてほしいものですね。
▲ 先週気がついたのですが、荒政さんが同じ階にいます。
総転房の時いなかったのは確か。彼の今度の房は、カメラは
ないけれど、中庭側の窓にパンチメタルがあるので、二月の
処遇変更(一般房転房)から半分逆戻りした形ですね。その
せいかどうか、以前と比べると少し元気がないようで、体の
具合もよくないようです。
▲ 四舎一階にいたときは、運動に出る時間が原則として、
一〇時以降に限られていましたが、ここでは朝一番に出るこ
ともあります。前と違って運動場の東側は高さ五メートルの
工事用鉄板フェンスで囲まれてしまったので、この時間は陽
がほとんど当たりません。夏はいいでしょうが、冬は少しつ
らいですね。仮舎房の運動場は屋上だと聞きましたが、陽当
たりなどはどうでしょうか。北風の吹く真夏はきつそうです
ねえ。
▲ 領置規制について、全国の獄中者三〇人が日弁連に救済
の申立てをしたと聞きました。事態の深刻さが理解されるよ
うに、未決、既決を問わず、今回の親制で不利益をこうむる
人は、全員が救済を申立てる方がよいと思います。私も、
来年四月以降、弁護士との間の書類授受までが制限されたよ
うな場合は、人権委への申立てや提訴をせざるをえないだろ
うと覚悟しています。
▲ 死刑確定者にとっての“魔の二一月”がやってきました。
今日で臨時国会も終わり、来月中旬まで国会は開かれなくな
るので、その間をねらって法務省が再び死刑執行を強行する
危険がないとはいえません。聖夜を血で汚す蛮行を彼らがく
り返すことがないようひたすら願うばかりです。
                  7.12.12記
            〔ましお通信第44号より抜すい〕


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