益永利明さんの獄中雑記

支援連ニュース No.245


 ▼ 心配されていた年末の死刑執行もなく、まずまず明る
い新年を迎えることができました。本年もよろしくおつきあ
い下さるようお願いします。今年の年賀状には、「この国が
いつまでも人の心の美しい国であるようにと祈りつつ、謹ん
で新年のごあいさつを申しあげます」と記しました。
 ▼ 年が明けて15日に実家の母の面会があり、父の死を知
らされました。命日は12月27日で、直接の死因はぼうこうガ
ンだったそうです。父はあと3日で91歳の誕生日を迎えると
ことでしたから、十分に天寿を全うしたといえるのでしょう。
97年に体調を崩して面会に来られなくなり、99年以降は手紙
のやりとりもできなくなっていましたが、私にとつて父は、
生きていてくれるだけで大きな心の支えでした。親不孝ばか
りを重ねて、何も恩返しをできなかったことが心残りです。
愛する父を亡くして淋しい気持はありますが、私は元気でい
ますからどうか安心して下さい。
▼ 28回目の獄中での正月は、歯の痛みに悩まされるさえな
い正月でしたよ。おととしの10月に左下の親知らずを抜いた
のですが、その後遺症で隣の歯がときどざ“神経痛”を起こ
すようになったのです。運悪く、年末にこれが再発しまして、
痛みで夜も眠れない日が続き、しんどくて寝たり起きたりの
寝正月になりました。痛くて物がかめないので、年に一度き
りのせっかくのごちそうも満足には味わえませんでした。
▼ 東拘の新庁舎は、予定通り今年の4月から運用が始まる
模様で、3月中に我々の引越し(総転房)があるものと思わ
れます。建物から一歩も外に出られず、窓も目隠しで覆われ
ていて、空も地面も目にすることができない生活というのは、
どんなものでしょうね。耐えがたいものに違いないけれど、
私は耐え抜かなければなりません。そして私は、必ず自由を
とりもどすでしょう(むろん合法的に!)
▼ 最後に、絶版本探しのお願い。私は樋口有介という作家
が好きで、彼の小説を全部読みたいと思っているのですが、
その多くがすでに品切れ・絶版になっています。古本屋等で
次の作品を見つけた方は、「ごましお通信」までご一報をお
願いします。(1)ベイ・ドリーム(角川書店)(2)彼女はたぶ
ん魔法を使う(講談社文庫ほか) (3)苦い雨(日本経済新聞
社)(4)ろくでなし(立風書房)(5)プラスチック・ラブ(実
業之日本社) (6)11月そして12月(新潮社、Cノベルズ)。
        【ごましお通信・第70号より抜粋・編集】

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   束京都小金井市前原町4−20−8−202
                 益永美幸 方


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