益永利明さんの獄中雑記

支援連ニュース No.253


▼ 三菱重工事件から29年目の8月30日は断食をし、8名
の被害者の冥福を祈って過ごしました。獄中生活28年という
のは短い年月ではありませんが、これにより私の罪過はすで
に償われているとは言えない気がします。私自身の良心が「よ
し!」とは言ってくれないのです。この心の責めを抱えて生
き続けることが、私にとつて償いなのかもしれません。
▼ 12日に大拘で向井伸二君が処刑されたことを、新聞で知
りました。執行ゼロの年は絶対につくらないという法務省の
執念の現れですね。養母となって彼を支えてきた向井武子さ
んは気落ちしておられるでしょう。死刑という名の新たな殺
人を止めるため、一日も早く死刑の廃止を実現したいと思い
ます1
▼ 富山常喜さんが獄死したという悲しいニュースも入って
きました。富山さんは、私が東拘に来て一年目くらいに死刑
が確定しました。当時、彼がハンストで抗議していたのを覚
えています(私は彼と同じ新4舎1階にいたのです)。77年
1月に私が新2舎2階に移ったあとも、ときどき外来診察室
などで彼を見かけました。高齢にもかかわらずお元気そうで
したが、その後、腎臓を悪くされたようですね。再審により
事件の真相を明らかにすることができないまま病死するのは
心残りだったことでしょう。
▼ 死刑執行命令書を不開示にした処分について、9月1日、
私の異議申立を斥ける森山法務大臣の決定がありました。死
刑囚やその遺族のプライバシー保護がその理由ですが、これ
は口実にすぎないのだろうと、私は今でも思っています。
 今回の決定に私は納得できないし、取消訴訟をすれば勝て
る可能性は十分にあると思うけれど、残りの人生を訴訟だけ
で終わらせたくないので、提訴は見送ることにしました。
▼ 支援連ニュース251号によると、8月15日に東拘当局
は統一獄祖の代表者との面会に初めて応じたそうですね。名
古屋刑務所事件に端を発する行刑改革への圧力が背景にある
のかもしれませんが、長い間我々が願ってきたことが実現し
たのはすばらしい。立場は異なっても目的は共有できるので
すから、ゆつくりと着実に信頼関係をつくり上げてほしいと
思います。
         (ごましお通信・74号より抜粋・編集)
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