益永利明さんの獄中雑記

支援連ニュース No.255


▼ 11月21日に東京拘置所内で第二次Tシャツ訴訟の原告本人尋問が行われました。当日は雨天との予報でしたが、朝9時ころには陽が差し始めたので、獄外の友人たち(共同原告・支援者)が雨に打たれずに済みそうだと、胸をなでおろしました。
 裁判所から私宛に届いた呼出状には、当日の10時に出廷するよう書いてありましたが、看守が実際に連れ出しに来たのは11時近くでした。仮法廷の場所は中央管理棟西翼の3階南側にある会議室のような部屋(「研修室」という札が出ていた。)でした。被告国の指定代理人は全員出席です。裁判官は一人だけで、若くてやや頼りない感じがしましたねえ(左陪席か?)。
 人定の手続と型通りの宣誓をしたあと、すぐに裁判官による尋問が始まりました。質問は事前に裁判所から送付されていた「尋問事項」に沿って行われ、主に、第一次訴訟における書証の交付状況と、現金差入れや接見の不許可による精神的苦痛について尋ねられました。私の印象では、裁判所は、現金差入れ不許可処分のほか、書証不交付及び接見不許可処分についても賠償を認める腹づもりであるように感じられましたが、この希望的観測はあまり当てにはなりません。
 獄外原告が作成した尋問事項(案)も事前に届いていたので、それに答える準備もしてあったのですが、残念ながら裁判所はこの案に沿う形での質問はしませんでした。
 被告による反対尋問は、(獄外原告が代筆した)証明書交付請求書の提出が私自身の意思に基づくものではないことを立証しようとするものでしたが、この意図は成功しなかっただろうと思います。
 約一時間で尋問はすべて終わりました。短い時間だった割には、精神的にぐったりと疲れてしまい、その夜は早く床につきました。外の皆さんもお疲れさま!
▼ 領置訴訟の控訴審判決が11月26日に言い渡されました。一審に続いて原告の全面的勝訴です。よかった! 内容的には、領置物管理規則について「一応の合理性・相当性があり適法」とされた点が不満ですが、まあ、裁判所としてはこれが無難な判断なのだろうな、と思い直しております。一審判決よりも前進したのは、領置物管理規則の下でも在監者には自分の領置物を減量すべき義務がないことを、裁判所が明確に認定したことでしょう。すなわち、裁判所は、私に対し領置物の減量を強制する目的で拘置所が書籍の購入を制限したのは「法の認めていない権利の制限を課したという意味で、既に違法であるといわざるを得ない」と断言しているのです。
 今回の判決に対し国側が上告することは困難でしょう。今後は、この判決に従い、領置物の取扱いについて拘置所の一層柔軟な対応がなされるよう期待したいと思います。

       (ごましお通信・74号より抜粋・編集)

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