益永利明さんの獄中雑記

支援連ニュース No.266


 ▼ 10月7日に定期転房があり、昨年の冬期と同じ房に移りました。書籍などの荷物を台車に載せて運ぶだけで息が切れ、引越しが終るとぐったりと疲れてしまいました。運動不足は深刻です。新獄舎で暮らした一年半の運動量は、それ以前の同じ期間の半分以下だと思います。体力が日ごとに失われていくのが判るのです。職員は「もっと体を動かせ」と言うのですが、こんな環境では、運動の意欲などわきません。数年後には、私はたぶん“寝たきり老人”になっているんじやないかな??
 ▼ 三菱事件から30年になる8月30日は、急ぎの仕事に追われていたため、一食だけ断食をして、被害者の冥福を祈らせてもらいました。30年を経た今も、あの日に私が受けた衝撃は、まざまざと思い出すことができます。ひとりよがりの正義感に基づく行動でたくさんの人たちを傷つけ、8人もの生命を奪ってしまったことを深く悔い、改めて、被害者と関係者のみなさんにおわびをいたします。
 ▼ 支援連ニュース等によると、浴田さんの父上が亡くなったとのこと。私は今まで知らなかったのですが、彼女のお父さんは、彼女の逮捕後現在まで一度も面会をしていなかったそうですね。そうすることで、お父さんは被害者に謝罪していたのかもしれません。
あいついで両親を亡くして淋しいことでしょうが、お父さんたちへの最高の供養は、浴田さんが一日も早く元気に社会復帰することだと思う。どうか気を落とさずに、良い刑務所生活を耐えぬいて下さい。
 ▼ 明けの星通信10月号を読みました。私たちの親の世代が次々に他界していく中で、家族会も世代交代の時期が来ているのだなあと感慨深いものがあります。まだまだお元気そうな荒井智子さんは、家族会の大長老としてにらみをきかせてほしいものです。力こぶを入れてがんばるのではなく、静かに、ゆるやかに、互いの思いをつなげていきましょう。
 ▼ 人のぬくもりが恋しい季節になりました。私は、ややうつ気味でして、何をするのもおっくうな感じで、だらだらと無為な毎日を送っております。29年間も独居で暮らし、人との対話がない孤独な生活をしてきたのですから、疲れもしますよね…。
         (ごましお通信78号より抜粋・編集)


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