益永利明さんの獄中雑記

支援連ニュース No.274


 ▼ またまた長いごぶさたをしてしまいました。このかん、例の電卓問題が煮つまってきて気持に余裕がなくなったことに加え、千葉の母が旅に出るときいていたため、便りが先延ばしになってしまった。まことに申しわけない。何かに熱中すると他のことに手がつかない私の性格は治りそうもありませんね。
 ▼ 私は、グラフ電卓のプログラミングにハマッてしまいまして、他のことにほとんど手がつかない状態です。グラフ電卓購入の主目的は、“再審請求の準備”なので、その一環として、三菱事件の現場で爆風が壁面に反射をしながら拡散していく様子をグラフで表すプログラムを書いてみました。電卓の能力に制約があり、本格的なシュミレーションはむずかしそうですが、工夫しだいでほかにも色々なことができそうです。私の電卓漬けの日々はいましばらく続きそうですね。
 ▼ 新聞を開くと、事故と殺人と戦争の記事ばかりで、いやになる。人の命がこんなにも軽くなってしまっては、死刑廃止の訴えも空しく響きます。日本人の心は、なぜこれほど貧しくなってしまったのだろう。戦争の廃墟の中からわずか60年でこれほどの復興をなしとげたことは賞讃に催しますが、他方で、たくさんの大切なものを置き去りにしてしまったのではないでしょうか。
 ▼ 今日は、30年目の 5・19です。あの日は、5月も半ばを過ぎたというのに、朝から冷たい雨が降っていました。そして一斉逮捕。志半ばでの逮捕ではあったけれども、あれ以上人を傷つける罪を犯さずに済む結果になったのは、私たちにとつてもよかったのだと今は思う。あの日から30年。こうして無事に生かされて、思索と反省を重ねることができ、また、わずかでも人の役に立つような仕事もすることができたのは、実にありがたいことだと思います。謝罪と感謝の思いをいつまでも忘れることなく、今日からまた新たな日々を皆さんと共に歩んで行きたいと思います。
 ▼  5月14日の集会は成功だったようですね。準備に奔走してくれた関係者の皆さん、お疲れさまでした。 (マサの演奏、私も聴きたかったな。)
 集会の資料「東アジア反日武装戦線が予告したもの」は読ませてもらいました。私が現在たどりついた心境と、支援者の側の思い(期待)には微妙なズレがありますが、各人は各人の道を行くしかないのですね。
(ごましお通信80号より抜粋・編集)


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