久しぶりに映画「母たち」が上映されます。


 昨年10月「山形国際ドキュメンタリー映画祭」で「母たち」が「日本の80年代
のドキュメンタリー」の異色作に「山谷ーやられたらやりかえせ」とともに選定
され上映されました。この映画祭は、故小川紳介が山形に住み込んで映画を制作
していた1989年に開催され今回で五回を数える。現在は、世界でも最大級のドキ
ュメンタリー映画祭で開催期間中は、世界中からドキュメンタリー映画を制作し
ている多くの若い映画人が集まり山形は映画の都の様相をしめします。
 ドキュメンタリー映画を制作している人たちはどこの国の映画人も皆苦労をし
ていますが、特に政治弾圧の激しい国では、制作そのものが弾圧されるわけであ
って、隣の韓国も例外ではありません。今回の映画祭で知りあった韓国のキム・
ティルという映画監督は「お母さんの紫色のハンカチーフ」という映画を持って
参加したのですが、この映画は、政治犯の息子や夫を持つ「母たち」「妻達」を
撮ったドキュメンタリーで、マスメディアでは絶対に伝わらない韓国の政治弾圧
の現実とそれに対する家族や支援者の地道な民主化への運動を伝えます。しかし
キム・ティルの話では、この映画を韓国内では上映出来ないとのこと。いわゆる
戦時の日本の検閲同様の表現弾圧が、韓国では現実にある。つまり表現の自由は
ないということでした。それでも映画を作りドキュメンタリー映画祭に彼等は参
加していました。山形にはアジアを中心にこうした熱心な映画人が世界中から集
まって刺激しあい、再び自国に戻り新たな映画制作に励んでいることと思いま
す。私もキム・ティルの話に刺激され「お母さんの紫色のハンカチーフ」の日本
での上映に協力しようとお互いビデオを交換したのですが、そのままになってし
まっています。どなたか上映を手伝ってくれませんか?
 話はそれてしまいましたが、久々に映画「母たち」東京で上映されます。「
ヤマガタ in 東京」山形国際ドキュメンタリー映画祭東京上映ということで
「BOX東中野」で4月27日(月)8:50PM~からの1回のみの上映ですが、フィルム
での上映は、数年ぶりのことです。皆さまお誘い合わせの上どうぞ。
                             佐々木健


参考
黒川芳正監督作品の映画『母たち』がヴィデオになりました!


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