支援連ニュース No.181

行刑施設で領置量制限となる

(東拘 吉村和江)

 九月一日の夜七時のニュース(その日の昼のニュースを録音、編集したもの)の後、「告知報送」。
 何でも法務省の省令が出て、全国一律に行刑施設での個人領置物の量を制限するという。見当としては、高さ○・六メートル×巾○・四四メートル×長さ一・ニメートル位の大きさのロッカーか? 房内の整理かご(プラスチック製の、銭湯の脱衣かご風。やや台形風)の二・五倍とのこと。この制限量以上に領置物を持っている人に対しては、六カ月の猶余期間のうちに何とか始末せよ、制限量以上の人は自弁購入・差入れを制限するとのお達し。
 考えてしまいました。たった一年しかいない私でも、きっとこの制限ぎりきり。とすると、十年選手の丸岡は? 二十年以上の将司さん、利明さんなどは如何なものか? もっと長く居る人は?
 それに、家族、友人に頼んで宅下げして貰える人はまだしも、身寄りも知人もない人など、思い出の詰まった品々をむげに捨てろと言われるに等しいのでは?
 おかしい。すごく、おかしい。お上の管理、支配の発想そのものが狂っているとしか思えません。
「おとなしく裁判をうけさせ、おとなしく服役させ、おとなしく処刑をうけさせる為に、かつ手間暇省くにはどうするか」、これしか考えない病んだ思考が、とうとう領置物の制限という”迷案”に到ったのでしょうか?
 「領置物保管がそんなに大変とは知りませんでした。御苦労かけてしまいました。領置物の保管はもう頼みませんから、私を出して下さい」と言う人もいるようです。
 法務省も、仕方ないですね。横滑りで省としての存続が決まって、安心していちやダメよ。領置制限なんて省令出している暇に(あっ、こんな省令のために、何人の役人が何時間働いたんだろう?血税を投入して!)、もっと抜本的改革にとりくんでほしい。
 行刑施設運営に関して言えば、社会復帰率向上を目標にするべきではありますまいか?
 それは再犯率を下げるという事でもあります。この為に、所内処遇の大巾改革(在監者の意見を叩き台に)、死刑は五十年間停止、職業教育の徹底とうけ入れ企業との就職協定作り、被害者家族との交流、弁償方式等の精神的・経済的アドバイス、カウンセラーサーヴィス、不公正な裁判の是正等々、問題は山積みしているでしように。

(九月三日)

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