大道寺将司君の今日このごろ

支援運ニュース No.177


★MRTAの一四人の戦士たちに心から哀悼の意を表し
ます。また、四ヶ月にわたり圧倒的なペルー軍・警察部
隊と対峙し、闘い続けたことに敬意を表します。
 今回の悔しさをこれからの教訓として生かすため、な
ぜMRTAが敗北したのか総括しなくてはなりません。
 捕虜をとって立て籠る作戦を勝利に導く要諦は、軍・
警察部隊に武力攻撃をさせる前に要求を貫徹する短期決
戦です。時間がたてばたつほど、ゲリラ側は緊張の維持
が難しくなり、多数の捕虜の動静に目配りがきかず、隙
を生じてしまいます。逆に、軍・警察部隊は、その間に
ゲリラの人数、配置、行動パターンなどの内部情報を収
集し、トンネルを掘ったり、突入訓練を繰り返すなど武
力攻撃の準備を進めることができます。
 今回、MRTAはセンデロ・ルミノソとの違いを際立
たせようとしたのか、“義賊的”で“良識的な話のわか
る”ゲリラ像に自縄自縛されてしまったのかもしれませ
ん。要求が通らなければ自尽も辞さないという強い決意
を持っていたら展開も違っていたはずです。
 短期に決着がつかず持久戦に入ってからでも、“平和
的解決”なるフジモリの嘘を見抜いて方向を転換すべき
契機は、軍・警察部隊が挑発を繰り返してMRTA側の
反応をはかった時、報道陣を館物から遠ざけた時、武力
攻撃用のトンネルが発覚した時など何度もありました。
これらの時に、“勝利か死か”の決断がなぜできなかっ
たのか。交渉による可能性を信じていたとしても、もっ
と防禦を固めて、和戦両用の態勢をとっておくべきだっ
たでしょう。
 今回の敗北は実に残念です。しかし、“テロに屈しな
い”、“テロに勝った”と見栄を切るフジモリと軍・警
察部隊こそが、捕虜の生命を軽視した武力攻撃を行なう
ことによって、さらに、投降した者をも射殺し、負傷し
た者に止めを刺して一四人を皆殺しにした事実によって、
殺戮者として厳しく断罪されねばなりません。また、こ
のフジモリを支持し、評価してやまない日本政府も強く
弾劾されなくてはなりません。
 一四人のMRTA戦士を皆殺しにしたフジモリの奸計
と卑劣さは、心ある者の憤激を呼び起こさずにはおきま
せん。そして、一四人の志を受け継ぎ、一四人の死を教
訓とした反撃の闘いを必ず生みだすでしょう。
 MRTAが批判した日本企業によるペルーへの経済侵
略は厳然たる事実です。である以上、ぼくたちもまた一
四人の戦士たちの志を継いで闘うことが問われています。
                  '97・4・27 記

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