大道寺将司君の今日このごろ

支援運ニュース No.178


★死刑確定から10年がたちました。確定宣告を受けた'87
年4月27日、今こうして来し方を振り返っていられよう
とは思ってもいませんでした。今在るのは、再審研をは
じめ死刑執行阻止に向けて力を貸してくれた多くの仲間
たちのおかげです。ありがたく思っています。
 確定囚は自らの意志でどうにかなるという状況にはな
いわけですが、しぶとく生き抜く決意でいます。
 これからもどうかよろしく。ともに闘おう!
★既に平野さんからの報告が載っていましたし、旧聞に
属することかもしれませんが、当事者の一人としてTシ
ャツ訴訟の一審判決について、少し書かせてもらいます。
 判決は、思いがけなくもぼくらの勝訴で、獄外原告か
らの現金の差し入れを東拘当局が認めなかったのは行き
過ぎで違法と判断し、被告の国に対し、利明君とぼくに
3,000円支払うことを命じるというものでした。
 本筋から外れた、部分的なものとはいえ、この勝利は、
前原告団長だった伊藤ルイさんをはじめとする獄外原告
の大車輪の粘闘と、傍聴やカンパなど多様な形での支援
の賜物です。また、獄中からも、東拘の佐川さんに(ま
だ彼が上告中で、死刑確定の前でしたが)イラスト入り
Tシャツの差し入れについての意見書を提出してもらっ
たり――彼に差し入れられたアイドル・グループのイラ
スト入りTシャツが一旦不許可になったため、彼が訴訟
を起こそうとしたら許可になった経過など――、処刑さ
れてしまった安島(小山)さんの養父母との交流を求め
る民訴の関連資料を提供してもらうなど応援してもらい
ました。感謝しています。
 先に、本筋から外れた部分的な勝利だと書きましたが、
判決は、Tシャツの差し入れを認めず、死刑囚は非人間
的処遇を強いられるのも止むを得ないなど、被告の国の
言い分をそのまま認めており承服できません。従って、
控訴審でこれらの点をあらためて争っていきます。
 今後ともご支援をお願いします。
★176号のシャコの説に従えば、ペルーの日本大使公邸を
占拠したMRTAの諸君の闘いも、ぼくらの執行阻止の
力になった可能性がある。であるならば、ぼくらはフジ
モリを頭目とする多国籍特殊部隊によって虐殺されたM
RTAの諸君に、とりわけ、10代、20代の若いゲリラた
ちに大きな借りをつくってしまったのかもしれない。な
んとか彼らの死を生かしたいものだが。
★逮捕されてから22年目に入った23回目の“5月19日”
の夜に。
             '97・5・19 大道寺将司拝

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