大道寺将司くんの今日このごろ

支援運ニュース No.181


★八月一日の国家権力による四名殺害 =死刑執行を弾
劾する!
 昨年一二月に三名が殺された時は、そのかなり前から
東拘全体を緊張感が覆っていました。しかし、今回は、
そのようなものを事前に感じとることはできませんでし
た。看守たちも処刑なれしてしまったということか。
 ぼくが“変だな”と感じたのは、八月一日、つまり、
当日の朝です。隣の舎棟で何かに抗議するような叫び声
を聞いたからです。獄中者と看守が怒鳴り合うことは珍
しくないし、離れた房にいる獄中者同士が大声で挨拶し
合ったりもする。しかし、その朝聞いた声は、日常的に
聞くそうしたものとは違い、切迫感に満ちたものでした。
 それで気をつけてみると、毎朝恒例の幹部連中の巡視
がない。そして、点検の看守などが目を合わせないよう
にするので、“誰かが殺られた”と分かりました。
 案の定、翌朝、購読している朝日新聞の一面が大きく
ぬりつぶされていました。しかも、それは、確定死刑囚
の新聞だけのようでした。そして、新聞は雑役囚が配る
のですが、ぼくのは担当の看守が塗りつぶされた個所を
隠すように折り曲げて持ってきました。なんとも姑息な
真似をしてくれるものです。
 更に、こうした事実を記した母宛の手紙にクレームが
つけられ、一部を書き直せと言われました。勿論、拒絶
しましたが、処刑については書かせたくないということ
なのでしょう。
 今回殺されたのが、何故永山君であり、神田さん、日
高夫婦であったのかについては、小倉さんやKさんが指
摘し、批判しているように、権力は、神戸の小学生殺人
事件などを受けて、みせしめを必要としたのだろうし、
そして、大量処刑の維持への固執があったのだろう、と
ぼくも考えます。
 神田さん、日高夫婦とは交流はありませんでしたが、
永山君との交流は二二年以上になります。ぼくが東拘に
収容された時、彼と同じフロアになったからです。以来、
顔馴染となり、戸外運動に出る時などに言葉を交わした
り、文通もしてきました。もっとも、彼は、反日闘争に
も、反日のぼくらの推し進める獄中闘争にも批判をして
いましたが。確定後は、舎棟が異なるため、見かけるこ
ともなくなりましたが、悔しく、残念です。
 永山君たち四名の死を哀悼するとともに、頑なに殺人
=死刑執行を続ける政府・法務省を弾劾する。
              '97・8・26 大道寺将司

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