支援連ニュース No.198
★浴田公判・第二次統一公判での証言(裁判所は所在地
尋問と称していますが)が迫ってきたので、当時の記憶
を喚起しようとしています。弁護人からは気張らずにや
るように言われているのですが、如何せん不馴れなこと
だし、ゆきちゃんとは20数年ぶりの再会なので、ついつ
い肩に力が入ってしまいます。思うことをそのまま声に
出すことができればいいのですが、どうなりますか。
★中山広子ちゃんが「みみずの会より」で絵入り報告し
てくれたように、傍聴国賠の上告は棄却されました。
獄中処遇をめぐる訴訟ではなかったので、獄外原告の
仲間たちと獄中原告である私たちの交流は困難でした。
でも、この訴訟を通じて外の仲間たちの存在を身近に感
じとることができて心強く思っていました。11年余にわ
たってこの訴訟を推し進めてくれた獄外原告の仲間たち、
そして、応援してくれたみなさんに感謝します。
★『ゲバラ コンゴ戦記1965』(現代企画室刊)の一読を
勧めます。今更ゲバラでもないと言われそうですが、実
に面白い本です。騙されたと思って読んでみて下さい。
'65年2月、アルジェの国際会議で、激しくソ連を批判
して帰国したゲバラは、カストロとの会談を終えた後で
忽然と姿を消します。そして、CIAに殺された、カス
トロに粛清された、キューバ国内の精神病院に監禁され
ているなどの憶測が乱れ飛びます。しかし、彼は、'65年
4月から11月まで、コンゴに滞在し、130余名のキューバ
人同志とともに戦い、敗北を喫していたのです。
この本は、ゲバラたちのコンゴでの敗北の記録です。
その過程で、ローランド・カビラ(そう、'97年にモブツ
を破ったカビラです)たちコンゴの指導者の、そして、
ゲリラたちの様々な問題点が明らかになります。その必
然として、コンゴ農民の“民衆の海”が未形成なことも
露呈します。また、そうしたコンゴの状況に身を投じ、
裏切りにあい、失望を繰り返す中で、キューバ戦士とコ
ンゴのゲリラ、そして、民衆の間に、更には、キューバ
戦士内部に矛盾が生じます。否応なしに、人民軍内部の
民主主義について、あるいは、国際連帯とはなにかにつ
いて考えさせられます。
そうした重い内容を孕み、溜め息をつきたくなるよう
な事が多くありながら、読み出したら止まらない。著者
のパコ・イグナシオ・タイボUが推理小説作家なので、
その小説手法をとり入れて構成されているからか。巻末
には訳者の太田昌国氏の、ゲバラの思想と行動について
の詳細な解説・年表も付されています。
'99・2・3 大道寺将司