大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.199


★獄外の仲間たちとの再会はできませんでしたが、20数
年ぶりでゆきちゃんと会い、感慨無量です。彼女と再会
できるとは暫く前には考えもしませんでしたから。
 当日、舎房の出入口で手錠、腰縄をつけられ(仮法廷
となった会議場は“塀の外”という理由で戒具を使われ
ました)、会議場まで向かう間、果してどんな“再会”
をしたらよいのかといささか臆しました。しかし、ちっ
とも変わっていない彼女の満面の笑みに迎えられ、一挙
に昔に戻ってしまいました。笑みが顔から零れ、弾けて
いるのだから。彼女が逮捕されたから再会できたので、
その意味では、本来喜んではいけないのでしょうが、嬉
しかった。
 裁判所は弁護人に対し、“大道寺が検察尋問に答えな
い場合、すぐに弁護側が尋問できるか”とか、“大道寺
は刑が確定しているのだから証言拒否はできない”など
と直前まで牽制球を投げてきました。証言を公開法廷で
実施すべきか否かの対立があったこと、そして、私が検
察官の任意調べを二度とも拒否したので、こちらの出方
が読めなかったからでしょう。
 私は非公開であっても検察官尋問に応じる(できる範
囲内で)、と決めていました。再会の時間を見す見す短
かくすることはできないし、彼女には長期刑が科せられ
る可能性があるわけですから、証言をゆるがせにするこ
とはできないからです。
 さて、検察官尋問の中で私が注文をつけたのは、元号
ではなく西暦を使うこと、名前を呼び捨てにしないこと、
の二点。そして、日本政府の超法規的措置で出獄した二
名については、彼らが“狼”のメンバーであったことを
含めて証言しないと通告しました。彼らが私の証言に対
して反論や弁明をできる状況にはないから、という理由
で。これに対して、検察官は敢えて対決姿勢をとらなか
ったので、私は自分のことや彼女のこと、“大地の牙”
に関することなどを率直に答えました。
 朝日新聞に、「拘禁反応の影響でゆっくりした口調」
と報じられましたが、裁判長がイライラとした様子をし
ていたのは、私のそうした緩慢な証言の仕方によるのか
もしれません。でも、間違ったことを述べることはでき
ないし、実際に舌の回りは悪くなっていますから、次回
以降も、焦らず、時間をかけて証言していきます。
 当り前のことですが、今まで生きてきたからゆきちゃ
んと再会できました。死刑執行阻止のために力を貸して
下さったみなさんに感謝しています。心から。
              '99・2・15 大道寺将司


MASASI  HOME
inserted by FC2 system