大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.201


★「支援連ニュース」は遂に200号達成ですね。おめでと
うございます。そして、ありがとうございます。
 死刑確定後当局に閲読を禁止され、数年ぶりに手にし
た時の感激を忘れることはできません。“まだ続いてい
てくれたか”と。毎号励まされてきましたが、なにより
これまで続いているそのことに力づけられます。
 これからも、250号、300号と続くことを希っています。
そのためにも、利明君と私は死刑執行を許さず、生きて
いかなくてはなりません。闘い続けます。共に!

★証言の件ですが、最初はもっぱら判決書、控訴趣意書、
供述調書など裁判関係の記録に目を通し、記憶の喚起に
つとめました。その後、かつてのぼくたちの闘いや主張
を批判した本、また、安保、沖縄、アイヌ・モシリ、天
皇(制)、南北問題などの本を再読、三読しました。こ
れらは直接証言に結びつくものではありませんが、考え
をまとめるのにいい機会だと考えたからです。
 かつてぼくたちは意識的に挑発的な言動を繰り返した
ので、対応的に批判は厳しいものでした。以前はそれら
に感情的に反発したこともありましたが、今回は冷静に
読めました。免疫ができたからか(?)、長くいきてき
て視野が広がったからなのか判りませんが。
 東拘内仮法廷での密室裁判であること、ゆきちゃんと
の交流が、尋問・証言という形でしかできないのは残念
ですが、多くの仲間たちに語りかけたいと思っていたこ
とは、彼女に託します。

★先日、『メロンと鳩』という吉村昭の短編集をよみま
した。標題作も、「鳳仙花」も、処刑前日と当日を題材
にしたもので、執行当日に惜別句会が催されることが描
かれています。『異空間の俳句たち』に収載されている、
既に処刑された人たちの句の中には、処刑当日に詠まれ
たものもありますから、'60年代まではそうした句会が行
なわれていたのでしょう。
 ぼくが注意を惹かれたのは、俳句が短歌や写経ととも
に、宗教教誨と同様、死刑囚の反抗心を和らげ、慰撫す
る手段として利用されていたことです。
 吉村の小説は20数年前のもので、更にそれ以前の取材
によっているのですが、当局側の見方は今も基本的に変
わっていないと考えていいでしょう。
 当局の掌のなかで踊ることのない俳句をあらためて心
した次第です。

★新ガイドライン関連法案の国会審議は本質論を回避し、
小手先の修正論ばかりで実に歯痒い。
              '99・4・26 大道寺将司


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