大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.223


★宇和島水産高校の実習船がハワイ沖で米原潜によって
衝突、沈没させられた事件は、民間人を乗艦させた上で、
彼らの歓心を買うためのデモンストレーション的急浮上
の結果でした。しかも、浮上の前に、海上に船舶がいる
ことを認めていたにもかかわらず、それを無視したとも
報じられています。東西冷戦解消による米国の一極突出
が為の軍規の弛み、そして傲れの表われです。沖縄での
海兵隊の振舞いもそのことを示しているではありません
か。米国軍、政府を厳しく批判しなくてはなりません。
 同時に、日本政府、とりわけ外務省の反人民的なてい
たらくも厳しく批判しなくてはなりません。ハワイに派
遣された外務省の高官は、米国側の弁護ばかりして米国
の出先機関の一員のごときありさまでした。対米関係を
慮ってのことなのでしょうが、批判すべき点があれば批
判し、要求することがあれば要求することができなくて、
どうして日米関係は対等だと言えるでしょうか。日本は
米国の一属州なのでしょうか。
 “隠密裡に”天皇誕生日をナショナルデーなるものに
定めてパーティーを開き、米国の言いなりにしかならな
い外務省は廃止すべきなんじゃないでしょうか。
 民族派を自称する諸君は、歴史を改竄して「誇りある
国にしよう」などとたわけたことを言う前に、外務省が
体現している日本の国際的あり様にこそ目を向けるべき
でしょう。
★『死は炎のごとく』(梁石日著・毎日新聞社刊)は、
考えさせられる小説です。
 一九七〇年代初めの大阪生野。二二歳の宋義哲は韓国
系の在日青年組織「韓青協」のメンバーとして朴正煕軍
事独裁政権に反対し、韓国の民主化闘争に連帯しようと
していました。でも彼は、その活動の生ぬるさを拭いき
れないでいました。そんな七二年、南北共同声明が発表
され、南北統一に向けての機運が高まります。しかし、
七三年八月、KCIAによる金大中拉致事件が起き、統
一幻想はいっぺんに消えてしまいます。そこで、宋義哲
は、「この手で歴史を変えてやる」と朴正煕暗殺を決意
する、というのがあらすじです。
 つまり、一九七四年八月一五日、在日青年文世光さん
による朴正煕狙撃を描いた小説なのです。当事者として
は面映いことに、東アジア反日武装戦線がアジア民族解
放戦線の名で密接に絡んで描かれてもいます。
 意義を説かず、一人行く、宋義哲の決意と行動に共感
します。また、米韓日を貫く闇の権力たる公安組織の底
深さも示唆的です。     2001・2・26 大道寺将司



























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