大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.238


★朝日新聞によると、五月二七日、国会議員会館での欧
州議会議員会議と「死刑廃止を推進する議員連盟」との
共催で開かれた死刑廃止セミナーにおいて、レナーテ・
ウールベンド同会議副議長は、日本の死刑制度を批判し、
死刑廃止に向けた努力の必要性を訴えたそうです。
 これに対して、森山法相は死刑制度の維持を主張し、
“日本には強い謝罪を表わす「死んでおわびをする」と
いう言葉があり、これはわが国独特の罪悪に対する感覚
を表わしている”と語ったとか。
 この演説原稿を書いたのが森山法相自身なのか、法務
官僚なのか知りませんが、ただならぬ時代感覚です。こ
れは、「死んでおわびをする」ことを積極的に評価する
発言であり、つまるところ封建時代の切腹を礼讃するよ
うなものだからです。年間の自殺者が三万人を超えると
いうゆゆしき状況のなか、自殺者をなくすようつとめな
くてはならない法相が、逆に煽るような発言をしている
のです。
 死刑廃止の世界的流れに抗し、死刑を維持するための
方便としての発言だとしても、死刑維持の根拠の希薄さ
をさらけだしたと言うべきでしょう。
 森山法相の言うように「死んでおわびをする」のが日
本の伝統であり、価値観になっているのであれば、その
ような封建遺風を否定すること、否定する勇気を持つこ
とが問われているのではないでしょうか。
★東アジア反日武装戦線三部隊への批判は、唯武闘主義
に対してであり、そして、ゆきちゃんの書いているよう
に、「代行主義」と「第三世界主義」に対してでした。
 武闘については措くとして、代行主義や第三世界主義
と批判する立場からは、果して国際主義に基いた国境を
越える連帯闘争をなし得るものでしょうか。ぼくにはそ
うは思えません。対置されるのは、一国主義的な階級闘
争であり、しかも、闘争とは言っても選挙に収斂される
ことになってしまうのではないでしょうか。当然のこと
ながら、パレスチナもアフガンも傍観する以外になく、
せいぜい古着を集めて送るくらいがおちでしょう(カン
パや古着を送ることを否定しているのではありません)。
★利明君とスミコさんの再会は十五年ぶりですか。感慨
一入なものがあったでしょうね。獄中者にとって、面会
はほろ苦くも嬉しいものですが、死刑が確定して外部交
通が制限されてからは、正気を保ち、観念の迷宮から現
実に立ち戻るためにも必要なものです。末長く面会が続
けられますよう念じています。
             2002・5・30 大道寺将司

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