支援連ニュース No.240
★ゆきちゃんの判決が二〇年だと知った時、無期でなく
てよかった思いました。時間とともに、反省と謝罪、そ して、彼女が従犯だったと認定しながらの二〇年は重す ぎると感じるようになりましたが。彼女の仲間たちは、 彼女をすぐにも娑婆に取り戻したいと念じていたでしょ うから、ひでえ判決だと怒っていることでしょう。彼女 を早く出獄させたいと念じている点ではぼくも人後に落 ちません。ただ、彼女の公判に直接関った者として、最 悪の結果は免れたとの思いがあります。というのは、検 察の無期求刑は規定事実でしたので、無期阻止が至上命 題でしたから。そして、彼女と弁護人はそのために全力 を尽したのです。言うまでもなく、今下獄しても、この 先十五年近くも拘禁されてしまうのですが。 検察はなんとしても無期にすべく控訴しました。一審 での検察は、かつての統一公判をそのままなぞり、さし てやる気があるようには見えませんでした。狼とさそり のメンバーが重刑だったことから、彼女の無期は揺がな いという傲りと油断があったのでしょう。しかし、その 目論見が覆されたのですから、控訴審では本腰を入れて くるに違いありません。 こちらも根性を据えて取り組み、無期判決を阻止しな くてはなりません。 ★『娘と話す国家のしくみってなに?』(レジス・ドブ レ著・現代企画室)という面白い本が刊行されました。 あのドブレが十七歳の娘と国(共和国)について語っ ているのです。ミステリーも手がけている訳者の藤田真 利子さんの手柄だとも思うのですが、父娘のやりとりが 笑えます。“面白い”というのは、そのことだけを指す のではありません。ドブレの語る共和国の成り立ち、あ り様などから(海外侵略や植民地支配、そして、植民地 での核実験の強行など不都合な点は捨象されたり、曖昧 に表現されていますし、ドブレの主張に同意するもので はありませんが)、翻って日本の天皇制、死刑制度、人 権などに思いを馳せざるを得ないからです。 丁寧な開設がついていますし、酷烈な暑さにも耐え得 る(?)本です。本書に続いて、『娘と話す非暴力って なに?』などが刊行されているようですが、一読を勧め ます。 ★前号は切り縮めたものだったので、また手抜きしたと 思われたことでしょう。風邪をひいてグズグスしている うちに感染症に罹り、一ヶ月余横臥したり、抗生物質を 服用したりしていたのです。風邪も侮れないものです。 娑婆のみなさんもお気をつけ下さい。 2002・8・3 大道寺将司 |
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