大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.242


★日朝国交交渉の中で明らかにされた日本人拉致に関し、
神谷不二慶応大学名誉教授は、九月二〇日付朝日新聞夕
刊に、「曝された国家的犯罪性」と題して次のようなこ
とを述べています。「ある時代の歴史解釈をするに当っ
ては、その時代の時代精神を基準とすべきであり、他の
時代の時代精神を基準にするのは誤りだ。十九世紀から
二〇世紀初頭にかけては植民地所有が先進国の追及すべ
き価値として広く認められた時代だった」と。
 神谷は侵略するのが正しいという強盗論理史観をもと
に、かつての日本による侵略、朝鮮人、中国人の強制連
行=拉致を正当化せんとするのですが、いつの時代にあ
っても侵略、植民地支配は正当化できるものではありま
せん。侵略、植民地支配される人々のことが視野に入れ
ば、神谷と雖も先の妄説を開陳することはできないでし
ょう。
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作員による日
本人拉致は許し難いことですし、拉致を指示した者、そ
して工作員らは指弾されなくてはなりません。拉致され
た人たちの若くしての不自然な死(口封じのための処刑
か)は痛ましいことです。
 そして、そうであればこそ、朝鮮を植民地支配し、百
万人を超える人々を官民あげて日本各地やサハリンなど
の炭鉱や軍需工場などに強制連行=拉致した日本の責任
は、今の時代にあっても厳しく問われなくてはなりませ
ん。
 日本政府は、戦後五七年間、北朝鮮敵視政策をとり、
かつての植民地支配や強制連行への謝罪、賠償を行わず
にきました。それ故、北朝鮮の工作員たちは、日本人を
拉致することに罪の意識などなかったかもしれません。
とすれば、日本政府に拉致誘発の責任の一端があったと
さえ言えるのではないでしょうか。
 今、在日朝鮮人、特に朝鮮学校に通う子どもたちを脅
迫する者たちがいるようですが、筋違いもはなはだしい
ものがあります。怒るのならその鉾先は拉致に直接関与
した者たちに向けるべきであり、そして翻って、朝鮮人
強制連行=拉致についての日本(人)の責任について思
いを馳せるべきです。
★米国によるイラク攻撃に反対の声を上げましょう。そ
して、日本の荷担は阻止しなくてはなりません。
★風邪が原因の感染症は七月末に治りましたが、酷暑で
消耗し、涼しくなった今も本調子とは言い難い状態です。
野宿者のテントの中は四〇度ということですから軟弱な
話ですが。徐々に調子を取り戻します。
             2002・10・1 大道寺将司

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