大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.245


★『現代思想 総特集日朝関係』は示唆に富むものでし
たが、キム チョンミさんの「鎖国国家の犯罪と侵略国
家の犯罪」と平井玄さんの「帰らざる者たちへ」には啓
発され、また、共感するところが多くありました。
 キムさんは、「九・一七共同宣言」の意味を分析し、
「国交正常化」とは、日本にとっては、植民地支配に対
する正当な賠償要求を放棄させることを前提にした国交
樹立であり、そのような国交正常化は、日本の過去、現
在、未来の朝鮮侵略を承認することであり、日本企業の
新たな経済侵略を「正常化」することだと喝破します。
 また、「共同宣言」では、「日本国民の生命と安全に
かかわる懸案問題について」、共和国は、このような問
題が再び生じないよう適切な措置をとると確認したが、
朝鮮民衆の生命と安全にかかわる懸案問題についてはな
にも確認されていない。核問題についても、核兵器を保
有する在日米軍や日本に大量に貯蔵されているプルトニ
ウムの問題についてはなにも言及されていない。
 即ち、「九・一七共同宣言」は、金正日とその周辺の
官僚が日本政府に屈服したことを示す宣言である、と。
 「共同宣言」をめぐる論説の多くが、拉致問題に幻惑
されて、朝鮮民衆の立場からは見ていないことを、キム
さんは鋭く指摘しているのです。
 なお、キムさんは、日米新ガイドライン、周辺事態法、
日の丸、君が代の国旗、国歌化など日本ナショナリズム
の急速な膨脹と侵略構造の細密化に対する日本民衆の反
撃が弱いことの原因を、日本の民主化を主張した日本人
のイデオローグの大半が国民国家日本の他地域、他国侵
略を総括せず、憲法一条から八条の廃止を課題にしてこ
なかったことにあるとしていますが、まさにそうです。
(彼女は海南島での日本軍、朝鮮総督府の日本人官吏、
三菱鉱業など日本企業の犯罪にも触れています。)
 平井玄さんの「帰らざる者たちへ」について書く紙幅
がなくなりましたが、彼は、旧赤軍派が北朝鮮に行った
ことの違和感、彼らの過半が三〇代、四〇代で死亡した
不可解さ、そして、金日成、金正日体制への彼らの荷担
に触れ、“恐れずに真実を語れ”と呼びかけています。
同時代に革命や社会変革を目指した者として。
★片岡美治さんのご冥福を祈念します。黒川正男さんに
続いて残念です。利明君、芳正君の心中を察するに余り
あります。
★芳正君の特別無期新設批判に同感。ぼくも反対します。
★丸岡君はまたも危機一髪だったのだね。養生しいや。
★顔叩きはいいから趣意書作成に励むべし。
              '03・1・30 大道寺将司

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