大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.246


★日本での反戦運動はなかなか広がりません。
 仮に東京でロンドンやバルセロナと同じ百万人もの反
戦デモが行われたら、日本政府は米国に臣従してイラク
攻撃を支持するなどとは言えないのではないでしょうか。
何十万人もの規模にならないから、小泉に“世論がどう
あれ信念を貫く”などとうそぶかせてしまうのです。
 ことはイスラエル軍によるパレスチナ自治区への侵攻、
占領に対する抗議運動でも同じです。欧米では広範な抗
議運動が展開され、数百人単位で、パレスチナ現地に赴
き、イスラエル軍の暴虐に歯止めをかけたり、パレスチ
ナ民衆を支援する活動が継続して行われています(『パ
レスチナ国際市民派遣団議長府防衛戦日記』太田出版参
照)。
 パレスチナやイラクとの遠近の差、歴史的交差の有無
などでこの違いは説明できません。日本では、隣接し、
歴史的にも濃密に交差してきた韓国光州や中国天安門で
の民衆虐殺にも、そして今、同じ米軍基地を抱える韓国
での反米・反基地運動にも、大規模な抗議、あるいは連
帯運動をなし得なかったし、なし得ていませんから。
 日本の民衆は骨の髄まで飼い馴らされてしまったのだ
ろうかなどと考えているうち、少し前に読んだ「人民新
報」の辺見庸さんへの批判を思い出しました。
 地方都市に住む知人が反戦集会を主催したが百人ほど
しか集らず、意気の上らぬものだったとの報告を受け、
しょぼいことをやっても意味がない、と辺見さんが『サ
ンデー毎日』に書いたのだとか。そこで、「人民新報」
が、それなら辺見さんよ、ただ煽動していないで自分で
運動を作りなさい、と噛みついたのです。手元に件の「
人民新報」は残っていませんが、概略そのようなものだ
ったと記憶します。
 「人民新報」が言うように、小規模の集会を否定する
ことはできません。大河も一滴からです。沈黙しないで、
一人でも声を上げ、行動することが問われています。
 しかしまた、実際問題として、百人の集会やデモに状
況を変える力はありません。脅迫を受け、身の危険を感
じながら各地に出掛け、メディアで大国の横暴を批判し
続ける辺見さんだから“しょぼいことをやっても意味が
ない”と言いきれるのではないでしょうか。
 辺見さんと「人民新報」は、日本の現状に楔を打ち込
み、なんとか変えたいとの思いは共通ながら、そのアプ
ローチの仕方が異っているのかもしれません。
 日本の民衆諸君、状況を変え得るだけの規模の運動を
創り出すべく、起ち上がろうではないか。               '03・3・1 大道寺将司

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