大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.251


★この国の政治には道義も論理も通じないのか。自・公
・保三党は、参院でイラク派兵法を強行採決しました。
米英両国は国連決議を踏み躙り、証拠を捏造までしてイ
ラクを侵略し、占領しましたが、その当の米英両国の議
会やジャーナリズムが遅れ馳せながらイラク侵略の根拠
の問い直しを始めています。しかるに、小泉内閣と与党
は、戦争の大義を問うことなどせず、ただブッシュの求
めるままに自衛隊をイラクに派兵し、忠勤を励もうとし
ているのです。イラク派兵は憲法違反であるばかりか、
大義なき侵略戦争を正当化し、米英軍の尻拭いをするも
のでしかありません。
 派兵反対の声を上げ続けましょう。
★『「拉致」異論』(太田昌国著・太田出版)を読んで。
 北朝鮮の金正日指導部と特務機関による日本人拉致が
明らかにされて以来、被害者家族、救ふ会、拉致議連な
どによる北朝鮮膺徴発言が大手を振っています。また、
それに便乗した佐藤勝己、神谷不二、関川夏央、三浦朱
門、西尾幹二、松本健一、岸田秀らによって歴史が偽造
され、日本の植民地支配を正当化する「時代精神」や拉
致問題のみ追及せよという「相殺論」が声高に主張され
ています。本書で著者は、こうした煽動的且つ排外的な
言説に対するどんな異論も許されないという風潮に抗し、
「拉致問題の根源的な解決を日本社会として北朝鮮政府
に要求するときには、当然にも日本社会は未決の植民地
支配の解決を自らの課題としなければならない。ふたつ
の問題は解決を図るためには相互に関連していると捉え
るのは当たり前のことである」と喝破し、佐藤らの手前
勝手な主張の出鱈目さを撫で斬りにします。一方、「拉
致は許せない。しかし、日本の植民地支配も忘れてはな
らぬ」という文脈でものを語る者たちに対して、この「
しかし」は、「相殺論」に口実を与えるものであり、そ
して、金正日指導部の卑劣さを薄め、南北朝鮮民衆のな
かに逃げ込ませてしまうことになると批判します。「し
かし」と発言した者として肝に銘じなくてはなりません。
 なお、著者は、「時代精神」や「相殺論」を述べたて
て異論を許さぬ者たちに対して、「他者に突きつける要
求は、自らにも突きつけられるべきである」と批判する
のですが、当然にもそれは著者自身にも向けられており、
たとえば日韓条約反対闘争に際して、民族・植民地問題
に無自覚であったという自己批判がなされます。こうし
た著者の姿勢が、本書での主張を信の置けるものにして
います。
             2003・7・26 大道寺将司














MASASI  HOME
inserted by FC2 system