大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.253


★9・12、大阪拘置所での死刑執行に抗議する!
 殺人事件、凶悪事件が増えたと言われ、治安回復、厳
罰化が叫ばれています。折しも、大阪教育大付属池田小
の児童殺傷事件の宅間被告への死刑判決があり、彼の言
動が遺族感情を逆撫でし、マスメディアは彼への憎しみ
を煽り、報復感情を醸成しました。
 法務省は、そうした治安回復、厳罰化を求める声に応
じ、さらに報復感情におもねる形で、同じ大阪拘置所に
収監され、再審を請求しようとしていた死刑囚をスケー
プゴートにしたのでしょう。
 死刑が政治的に利用される、あるいは死刑囚は政治的
に殺されることの例証です。
 何度同じことを繰り返てきたかとの思いを禁じ得ませ
んが、でもこれ以上の死刑執行を許ささぬよう、さらに
死刑廃止の声を上げていかなくてはなりません。
★先に触れた宅間被告は控訴を取り下げ、死刑が確定し
たようです。“死刑にびびらない”と見えを切った以上
そうする外になかったのでしょう。死刑が確定したこと
を今更問題にしても詮ないことですが、彼が児童殺傷を
正当化しているのは間違いだと批判していく必要はあり
ます。そしてそれは、ぼくのように同じ立場の死刑囚こ
そが積極的にすべきことなのかもしれません。共に変り
うるために。しかしそうではなく、“自分は反省してい
るから彼とは違う。彼と同じ目で見られたくない”と公
言する死刑囚がいると漏れ聞きます。これは、同じよう
に国家から死刑だと宣告された者が、良い死刑囚(?)
と悪い死刑囚に選別して自らを前者と見做し、自分だけ
は助かろうとすることではないでしょうか。
 死刑廃止に向けての第一歩は、死刑囚間の足の引っ張
り合いを克服することではなくてはならないようです。
★向井孝さんに追悼の意をささげます。
 向井さんは、ぼくたちが逮捕された後の圧倒的な非難
の渦のなかで支援の意志を表明し、発行物で、デモや集
会の開催で支援の輪を広げて下さいました。風さんとと
もに面会や手紙でも励して下さった。非暴力直接行動を
唱え、実践されてきた向井さんにとり、ぼくたちには非
和解的な批判があったはずですが、直接行動などの同意
できる部分に焦点を当てて下さった。また、死刑廃止運
動も積極的に推し進めていただきました。現在、世界も
日本も希望を見出しにくい状況だけに、向井さんには今
後も発言し続けていただきたかった。
 長きにわたるご支援とご好誼を感謝いたします。
              ’03・10・4 大道寺将司

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