大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.260


★先日の朝日新聞に、反戦デモ派と平和パレード派の対
立、両者の公開討論の様子が報じられました。
 ぼくは世代的にも、また、「武闘」派だった者として
も当然ながらデモ派ですが、でも何もしないで現実を冷
笑しているくらいならパレードでもいいじゃないかと思
っていました。桃色ゲリラを名乗る派手派手の女性たち
と並んで歩くのは恥ずかしいだろうと思いつつ。
 ところが、朝日新聞によると、デモかパレードかとい
う呼称の対立だけではないことの象徴として、パレード
派の代表格の人物が公安警察官と一緒に食事をしていた
ことが明らかにされていました。公安も人間だから説得
するために食事をしたというのですから、知らずにとか、
偶然ということではなく、自覚的なものだったのでしょ
う。しかし、公安は、接触対象者と親しくなって情報を
得ることを職務としているのですから、いくらでも説得
に応じたふりをするでしょうし、平和パレードを称える
ことだってするでしょう。公安にとっては、一緒に食事
をする仲になってしまえば、後は赤子の手をひねるよう
なものです。
 そこで連想したのは、イラクで「イスラム戦士」に拘
束されていた日本人三人が解放された後の新聞のコラム
です。筆者は早野透氏。朝日のベテラン記者で、毎週火
曜日の朝刊に「ポリティカにっぽん」というコラムを担
当しています。政治的少数者に目配りする内容ですが、
四月二〇日のそれは妙に歯切れが悪く、政府への批判が
抑制されていました。というよりはむしろ好意的でさえ
ありました。変だなと思ったら、彼は、「イスラム戦士」
が三人を拘束し、自衛隊が撤退しなければ処刑すると通
告したことが明らかにされたまさにその時、毎日や読売
の記者らとともに、小泉首相と赤坂プリンスホテルで会
食していたというのです。しかも、小泉は事件の一報を
受けた後二時間も飲み食いを続けたというのですが、早
野氏も当然そうしたのでしょう。彼は取材の一環として、
さらに単独ではなく、他の新聞社の記者と同席していた
のですからやましいことはないのかもしれません。また、
彼は小泉が事件の一報を受けた時、それを知らなかった
のかもしれません。仮にそうであっても、一緒に飲み食
いした小泉を、初期対応の鈍さを含めて批判するのは、
海千山千のベテラン記者といえどもためらわれただろう
と考えるには穿ちすぎでしょうか。
 ともあれ、公安警察官と食事を共にする先が一体どう
なるか、考えると慄然とします。派兵がなされた今、反
戦とは闘い以外のなにものでもないのだから。
              ’04・4・27 大道寺将司

MASASI  HOME
inserted by FC2 system