大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.262


★六月一七日、松下竜一さんが急逝されました。
 松下さんとの交流は四半世紀になります。一面識もな
い彼に手紙を出したのが始まりですが、戦前のアナキス
ト群像やダム建設反対闘争を描く彼の著作に触れ、旧知
の間柄であるかのような親しさを覚えたからです。獄中
から、しかも過激派で、死刑判決を受けている者からの
手紙はいたく彼をとまどわせたことでしょうが。
 そんな交流が契機となり、松下さんに『狼煙を見よ』
を書いていただくのですが、それによって、「無差別爆
弾魔」というそれまでの私たちへの非難を修正乃至は否
定する人たちが現われました。更に、大阪の反日集会で
講演していただいたり、新聞や「草の根通信」で度々言
及していただくことにより、私たちに共感を抱いてくれ
る人たちまでが現れました。
 松下さんが「草の根通信」誌上で私たちに言及するた
びに、購読の中止を申し出る人たちがいたようですが、
それにもかかわらず、折々彼は私たちについて紙面を割
いて下さいました。
 死刑確定で従来のような交流を断たれてからも、Tシ
ャツ訴訟の共同原告として、一七年余りも闘ってきまし
た。信義の人である彼の面目躍如たるものがあるではあ
りませんか。
 彼の著作の多くは、国によって酷い仕打ちを受けた人
たち、そして、その国に立ち向かう人たちを描いたもの
です。また、彼自身他国を侵略したり、底辺の人たちを
踏みつけることに講義し、宿痾を抱えながら闘い続けま
した。それだけに、自衛隊が戦火の絶えないイラクに派
兵され、多国籍軍に参加し、その上、米軍と一体となっ
て戦うことを可能とするよう改憲が声高に叫ばれるなか
での彼の死は惜しみて余りあります。
 残された者たちが松下さんの意志を継いで闘っていか
なくてはなりません。
 謹んで松下さんのご冥福を祈念しています。
★『ファルージャ2004年4月』(現代企画室刊)の一読を
勧めます。日本人人道活動家とジャーナリスト三人がサ
ラヤ・ムジャヒディーンによって拘束されたまさにその
時、米軍がファルージャで遂行していた住民虐殺につい
ての現地からの証言集です。生々しく迫力に満ちた証言
の数々は、米・英軍によるイラク侵略と占領の実態が如
何なるものなのかを浮き彫りにします。今もって、自衛
隊のイラク派兵、多国籍軍参加を正当化する人たちにこ
そ読んでもらいたいものです。それにしても、マス・メ
ディアは一体何を報じてきたものか。
              ’04・7・2 大道寺将司 

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