大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.266


★イラクで拘束されていた香田証生さんが殺害され、星
条旗に巻かれて遺棄されたと報じられています。
 香田さん解放の条件は自衛隊の撤退でしたが、小泉首
相は躊躇いもなく“撤退させない”と明言しました。そ
の時点で香田さんの命運が尽きたと言っても過言ではあ
りません。香田さんは、排外主義に凝り固ったアルカイ
ダ系勢力と彼の救出など初めから念頭にない小泉首相に
よって命を絶たれたのです。
 小泉首相が香田さんを見殺しにしてまで自衛隊派兵・
駐留に固執するのは、イラク復興支援のためなどではさ
らさらなく、ただ米軍との共闘を演出したいためです。
しかしながら、その米軍のイラク侵略と占領は、それを
正当化するための根拠とされた言うところの大量破壊兵
器は存在せず、フセインとアルカイダの関係もでっちあ
げられたものですから、汚い侵略戦争だったことが白日
の下にさらされました。実際に武器を手にしている米
軍兵士自身が、自分たちはなんのために、誰と闘ってい
るのか分からないと言っている始末なのだから。
 それにもかかわらず小泉首相は今以てブッシュの言い
分を受け容れて、それよりもただ扈従してと言うべきか、
米英軍の侵攻は正しかったと言い張り、だから自衛隊派
兵・多国籍軍参加は当然と強弁しています。汚い戦争へ
の荷担である自衛隊派兵がなければ香田さんは拘束も殺
害もされなかったことを小泉首相に直視させなくてはな
りません。
 香田さんは少い所持金で海外放浪をし、言葉には苦労
していたようですから、イラクの状況を把握できていな
かったのでしょう。日本人の人権活動家やジャーナリス
トが拘束されたり、殺害されたことは知っていたかもし
れませんが、それ以来一層状況が悪化していたことをど
こまで分っていたか。香田さんの友人たちの証言によれ
ば、彼はホームレスの人たちのための炊き出しなどの活
動に参加していたというし、老人介護の仕事を希望して
いたということですから、困難な立場にある人を見捨て
ることのできない心根のやさしい若者だったのでしょう。
それだからこそ、米英軍の爆撃にさらされて以来厳しい
生活を強いられているイラク民衆に思いを馳せたのであ
ろうことは容易に推察されます。イラクに入ることは危
険たと感じていても、どうしても行かなくてはならない
と考えたのかもしれません。
 そのような有為な若者を見殺しにしてまで自衛隊の撤
退を拒否すべき大義などどこにあるというのか。毫もあ
りません。         '04・11・2 大道寺将司

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