大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.267_3


★米英軍などによるイラク占領とファルージャでの住民
殺戮、自衛隊派兵と占領軍への参加、また、相次ぐ台風
と地震の被害、更には、死刑執行と内外ともに多事多難
な一年が終わろうとしています。
 世界には今、米国と世界世論というスーパーパワーが
並存していると言われます。つまり、ソ連邦崩壊後の世
界の対立軸は、米国と世界世論だと言うけです。
 米英主導によるイラクへの侵略と占領に反対して欧米
諸国の街頭を埋め尽した数十万人とも百万人を超えると
も言われたデモ。世界統一行動日には総計一千万人を超
える人たちがデモに参加した事実がその証です。
 しかし、日本では、近年の低調傾向のなかでは健闘し
たと言えるものの、東京でのデモ参加者が三万人から五
万人というのですから、欧米のそれよりも一桁少かった。
それが日本政府をして世界世論に敵対させたと自己批判
的に把える必要があるでしょう。
 日本政府は、一度はイラクに出兵したものの撤退を始
める諸国が増えているなか、米国追随、ブッシュ政権と
の一層の癒着の道を選択し、出兵と占領の継続を決めた
のですから。われわれの力不足がコイズミを強気にし、
増長させたことは否めません。
 そうした力関係を見てのことなのでしょうが、少しで
も参加者を増やそうと、デモをパレードに、反戦を非戦
に言い換える向きがあります。しかし、反体制臭や反権
力臭を薄めれば大量動員できるというのは幻想にすぎな
いし、そのように言葉を換えて本質を見えにくくしよう
というのは根本に大衆蔑視のある誤魔化しではないでし
ょうか。
 といって、ぼくはパレード派も非戦派も頭から否定す
るものではなく、そういう意志表示があってもいいと思
っています。ただ、そうして表現を希釈することで、敵
が誰なのかを見えにくくし、敵と見方の境界を曖昧にす
る危険があることは肝に銘ずべきだと思うのです。
 さて、総じて力不足だったなか、イラクの反米武装勢
力に拘束された人道支援活動家やジャーナリストを連日
のデモや集会、現地での働きかけによって開放したこと、
また、裁判では、立川自衛隊監視村メンバー三名の自衛
隊宿舎への派兵反対ビラ入れの無罪判決、小泉靖国参拝
違憲判決、更には、第二次Tシャツ訴訟での獄中原告勝
訴(!)を勝ちとったことは記憶されるべきでしょう。
 '05年は、状況を変え得るほどに、若者のみならず中高
年もまた街頭に繰り出したいものです。
              '04・12・25 大道寺将司

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