大道寺将司くんの今日このごろ

支援連ニュース No.271


★四月末、小泉首相は、インドネシアのジャカルタで開
催されたA・A首脳会議で、かつての侵略戦争と植民地
支配の反省を表明した村山談話を読み上げました。「…
アジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えまし
た。…心からのお詫びの気持ちを表明いたします」と。
村山談話の内容を顧みずに踏み躙ってきた小泉がそれを
読み上げるのはふざけた話ですが、案の定、近隣諸国と
の不信と対立を取り繕うための方便だったことがすぐに
明らかになりました。小泉は、A級戦犯を含むかつての
侵略戦争で死んだ兵士を「英霊」として祀る靖国神社参
拝に対する中国や韓国からの批判を“内政干渉”と斬っ
て捨て、続行することを匂わせて憚らないのですから。
 この間の中国と韓国での反日行動、とりわけ中国全土
に拡がった反日デモに対し、日本政府と読売やサンケイ
などのメディアは、愛国=反日教育の所為であり、格差
の拡大、政府の腐敗への民衆の不満を反日デモでガス抜
きするための官製デモだと決めつけ、デモ隊の一部が投
石をしたり、日本製の車を破壊したことなどをもって暴
徒だと非難しました。
 そして、あろうことか町村外相は、小泉の靖国神社参
拝や日本政府の中国や韓国を蔑視する諸政策が反日デモ
を惹起した誘因なのに、その事実に蓋をし、中国当局に
責任を転嫁して「陳謝、賠償」を要求したのです。
 近年の日本政府はとみに右傾化を深め、殊に小泉政権
は、旧日本帝国を免罪し、新たな日本帝国創出に向けて
の動きを強めています。即ち、かつての侵略と植民地支
配の歴史を偽造、隠蔽する「つくる会」の教科書の国家
公認、全教科書からの「慰安婦」の記述の削除、君が代、
日の丸の強制、旧日本帝国と侵略戦争の最高責任者だっ
た昭和天皇を賛美する昭和の日制定、及び昭和天皇記念
館建設。そして、自衛隊の海外派兵を可能にする法整備
と派兵強行。九条改悪を柱とする改憲のたくらみ、資源
と領土をめぐっての挑発。その上で、国連安保理常任理
事国入りをめざそうというのですから、アジアの近隣諸
国、とりわけかつて日本帝国に侵略され、植民地支配さ
れた中国や韓国の民衆が反日行動に決起するのは至極当
然のことだと言わなくてはなりません。
 中国や韓国の民衆と連帯し、小泉政権をして反日デモ
の訴えに真摯に耳を傾けさせ、旧日本帝国及び昭和天皇
の復権や賛美につながる諸政策を撤回させましょう。そ
して、新たな日本帝国創出のたくらみを打ち砕こうでは
ありませんか。
              '05・5・24 大道寺将司

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