支援運ニュース No.180

残暑(これが出る頃は立秋過ぎているので)お見舞い申しあげます!
★ちょっと間借り 8.1死刑執行糾弾!
       97.8.61 丸岡 修

1. 2.15弾圧(日本赤軍・レバノン問題)
(1) 7.31の一審判決
 レバノン地裁の判決は、5人に対しては「禁固3年(うち3人に罰金約5万円)、刑終了後の国外退去」。政治亡命については「拘束前に申請がなかった」として判断をさけたものの、リッダ闘争については「敵イスラエルに対する岡本被告の英雄的行為は評価する」と裁判長はわざわざ言及しています。戦前の日本の制度に近く「司法の独立」がないレバノンでは(今の日本にも実際にはないが)、首相派治安当局の意向がそのまま判決に反映するので、こんなものでしょう。求刑が「懲役7年」なので、検察と弁護側双方の顔を立てたものと言えるでしょう。日本や米国の圧力がある中では、こういう形式を必要とする。日本大使館は「日本側の意向が反映した判決だ。99%引渡しは実現する」とぬかしたらしいが、はっきり言って五分五分。裁判所はレバノン政府にゲタを預けたにすぎない(裁判所が行政を縛る判決を出せない)。国外退去とは「日本への引渡し、強制送還」ではなく、あくまでレバノン国外への退去であって、日本への引き渡しを明言していない以上、「99%」ではない。国際慣例では、国外退去は第三国への退去であって本国への強制送還ではありません。しかも、72時間は行き先国に通知しないことになっています。「国外退去=強制送還」というのは人権後進国=日本のやり方なのです。
 日米の圧力に屈した首相ハリリがアラブ世論を無視して日本に引き渡す可能性も、8月に起こるかもしれません。逆に5人全員がいずれかに立ち去ることもあります。何でも有りが彼の国。尚、5人救援にはパレスチナのPLO各派だけでなく、レバノンのシーア派から、共産党、社民系政党、シリア与党バース党系政党まで参加しています。

(2) レバノン人女性鍼灸師
 5人と一緒に拘束されたオマイヤ・アブードさんに対しての判決が分かりません。彼女は5人の起訴内容とは全く関係のない「不法医療行為」のみの起訴で(日本のマスコミはあたかも5人の非公然活動を支援したかのように報じたり)、仮に有罪であっても「禁固半年」程度です。日本赤軍との組織的関係はないのに、日本の市民運動などとの医療を通した連帯運動を好ましく思わない日本政府の要請による弾圧です。彼女たちの「健康と人間協会」は昨年2月に、レバノン政府より医療団体としての認可を受けています(医師らも協会員。彼女は事務局)。「不法医療行為」は本来、無罪でしょう。鍼灸師の治療が不法とされれば、日本の鍼灸師も摘発対象になる。
 アブードさんの状況も読者の皆さんに知ってほしい、と思います。日本政府による犯罪をも。

(3) アムネスティ・インターナショナルも岡本君の引渡し反対
 私からロンドンの本部に要請していたところ、アムネスティ・インターナショナルが死刑反対の立場から、「日本政府が岡本氏に死刑求刑しない、刑を執行しないと約束しない限り、日本への引渡しに反対する」と結論しました。


●『ザ・パスポート』に詳しく報告。帰国者の裁判を考える会〒150 東京・港区新橋2-8-16石田ビル4F 救援連絡センター気付。年3000円。郵便振替00120-2-398834 帰国者の裁判を考える会


2. 179号「大道寺将司君の今日このごろ」に
@178号の拙文は、単に将司さんが171号に「アナ・ボル対立」について止揚(いかに共闘・併存できるか)の立場から書かれていたのを、私が「アナ・ボル対立の現実をどうするか」と質問されたと誤解して記憶したまま書いてしまったものです。すみません!
A被逮捕者続出の日本赤軍への批判は当然。将司さんからのエールと元々理解しています。私も「教訓を生かしていない」と批判しました。


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