支援運ニュース No.187

まだ間借り
         98.3.2
あはは、次号より休   丸岡修

1.挑発者はイラクでなく米国だ
 イラク政府による大統領関連施設に対する国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の査察拒否を巡り、この1月から米国の「武力制裁」なる侵略行為が準備され、緊張が作られました。ところが国連安保理常任理事会で米国に追従するのは英国のみで、ロ、中、仏は外交的解決を主張。すると米国は「武力制裁に新たな決議は不要」として、米英と幾つかの同盟国だけでの軍事行動を準備。しかし、サウジアラビア、バハレーンは米国への基地提供は拒否、クウェートしか使えず。エジプト、シリアなど多くのアラブ諸国は「武力制裁」そのものに反対。結局、国連のアナン事務局長がイラクと直接交渉して解決し、米軍の軍事行動は制止。これが2月22日までに起こったことでした。
 生物・化学兵器の廃棄自体は、核兵器と共に国際社会が実現すべき課題ではあります。しかし、イラクのみが禁止されるだけでなく全世界すべての国の保有も禁止されなければならない。米国やイスラエルの保有をも禁止にするべきなのです。米国は「フセイン政権が保有しているから危険だ」と説明するが、イスラエルは、48年戦争、67年戦争でアラブ領土を占領し、現在も支配したままです(イスラエルは百発の核兵器まで保有―英国国防省報告)。問題にされるべきは米国に二重基準なのです。
 今回の緊張はイラクの査察拒否から始まっているものの、元は査察チームが米国中心(しかも海兵隊)でUNCOM委員長が露骨に米国寄りのバトラーであることによつています。バトラーは国連安保理に報告していないくせに、米国メディアには「イラクはテルアビブを全滅させるだけの生物・化学兵器をもっている」と喋り、危機感を煽りました。
 フセイン政権打倒を目指す米国はこれをも利用。
 日本の態度。橋本政権は口先だけで「オリンピック期間中の空爆回避」と表明し、他方では米国に「軍事行動の後はそれを支持する」と伝えていました。この日本は、国連調停後に英国が米国を代弁して「新たな国連決議抜きにいつでも武力制裁できる」新決議を用意するや、ここぞ出番とばかりに英国との共同提案国としてしゃしゃり出ました。決議文中の「(イラクの違反は)最も深刻な結果をもたらす」が、いつでも米国が国連の名を騙って武力行使できるようにするために米英が用意したことは明白なのに、日本国外務省は「武力行使を求めるものではない」と日本国内に説明しています。ロシアなどの支持を得るために「非常に深刻な」と言いかえたものの、日本政府の説明は詐欺師のそれ。こんな米国の使い走り・日本はいらない。

2.「環境と平和を飛ばし長野五輪」
 たかりやサマランチの下のIOCが金権腐敗し、オリンピック商業化元凶であることは今更説明するまでもありません。日本人選手の面白い言動について(本人達は無意識だが)。
 スキー・モーグルの里谷多英選手。金メダル表彰の日の丸掲揚時に帽子をとらず。早速、JOCにバカの日本人共から「けしからん」「国旗を侮辱」と抗議の電話。選手団長は選手達に「作法」を訓示。里谷、偉い! 尚、五輪競技規則では「選手団旗掲揚時には旗を見つめる」とだけあり、帽子をとれとはなっていない。
*「選手団旗」であり、マスコミが「国旗」と表現するのは誤り。
 ジャンプの舟木選手。「日本人が、日本人がというのはイヤです」。偉い、ほめたる。

3.1月号の吉村同志言に意義(というより補足、笑)
 吉村は駅の自動改札でとまどったらしいが、日本赤軍の全員がそうではありませんよ。念のため。72年のパリ高速鉄道はすでに自動改札。大阪にも早くから登場。東京にできたのは90年代(関西人としては自慢しとこ)。私を取調べた警部補服部の言「東京から新幹線に乗って大阪まで尾行したら、阪急電鉄の梅田駅が自動改札。相手はするっと抜けたが、ボクはやり方分からずウロウロ。見失った」。(ちなみに尾行されたのは私ではありません。笑)


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