支援連ニュース No.199

ちょっと間借り1999.3.3     丸岡 修 

1.高校校長を殺した文部省
 広島県立世羅高校の校長が卒業式前日の2/28に自殺しました。「日の丸、君が代」問題が原因と見られています。
 広島県では、住民の反戦意識の強さなどから教育現場は「日の丸、君が代」の国からの強制をはねのけてきました。昨年、全国の公立高校の98%以上が「日の丸」を、80%以上が「君が代」を実施したのに比べ、広島県の公立高校の「君が代」斉唱率は18.6%でした(全国の高校平均は80.1%)。それが故に、自民党や文部省は広島県教職員組合を敵視し、教育委員会に発破をかけました。教育長は校長が逆らえない職務命令を出しました。その結果が校長自殺です。ところが政府・与党は原因を「日の丸・君が代反対派の妨害(掲揚・斉唱)とし、弾圧的で不当な「職務命令」を撤回するのではなく、これを機に「国旗・国歌の法制化」を唱え始めました。
 日本共産党が「日の丸・君が代」には反対としながらも、国旗・国歌の根拠を法律で定めよという新見解を出して話題になっていることも作用しているようです。しかし、自民党はどの目論見は何の法的根拠もないのに「日の丸・君が代」を国旗・国歌として強制していることの不法を改める趣旨からではなく、日帝侵略の象徴である「日の丸」、主権在民を否定し天皇賛美の「君が代」の強制を法によって行おうとすることにあります。
 自民党が作ってきた法案では「国旗の尊厳を汚すな」などとあり、「日の丸」焼き捨て(自身の所有物て゜あっても)で逮捕されることも現実になります。
 「日の丸」「君が代」の法制化を許すな!
〈私個人は「日の丸・君が代」に絶対反対ですが、強制しないという条件において国旗・国歌の法制化は必要と思う(読者の多数はそれにも反対でしょうが)。私の趣味から言えば、国旗は赤旗、国歌はインターナショナル。革命コンゴがそうでした。共和制新日本で妥協するとすれば、「桜」です。ピンクの旗、いいかな。歌ものんびりしているし…。あかんかな。私の対案。共産党も「法制化」を言うなら、そこまで言えよな。怒〉
 共産党のように、今の力関係で「国歌・国旗の法制化」と言ってしまうと、自民党に逆利用されてしまう。

2.オジャラン議長の即時釈放を!
 PKK(クルデイスタン労働者党)のオジャラン議長が結局トルコkの秘密警察に拉されました(背景は、帰国者の裁判を考える会発行の『ザ・パスポート』をお読み下さい)。 米国の圧力のために欧州各国は拘束しないが保護もせず。保護しようとしたギリシャも米国の知るところとなって動きようもなし。
 トルコ(半軍事政権。見かけは議会制だが政権の実権は軍にある)は、クルドを民族として認めず圧制を続け、PKK支持住民に対しる拘束、拷問、無差別焦土作戦を行っています。米国は、イラク内のクルド民族の二派に対しては反イラクの側から自治を拡大させても、反トルコのPKKに対してはトルコの弾圧を支持してきました。ふざけた二重基準!
 オジャラン議長の即時釈放を!
 クルデイスタンの民族自決権の承認を!

3.ピノチェトの裁判はチリで!
 ファシスト・ピノチェトが逮捕され裁判にかけられるのは当然ですが、他国がチリ政府と人民に代わって裁判にかけるのは民族主権から言って適さない。『キタコブシ』にはスペイン人がチリで殺されたという条件においてスペインに権限があると書きましたが、よく考えれば、それでも裁判は事件のあった国でなされるべきこと。「自国民が」というのが日本の過去の侵略、米国の世界各地への侵略の口実にされた以上、相手が誰であれ、他国がその国に代わって裁判にかけることは認められません。「人道の罪は世界で裁ける」というのは米国を中心とした「先進国」が二重基準でやっている以上、同意すべきではありません。


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