シャコのリハビリ日記(その21)

 6月30日、午前10時から11時まで職業訓練校の修了式。記念写真を撮って、バイバイ。訓練生だけで昼食会。昼飯を食ったら、すぐにハローワークへ行って、修了の手続きをした。やっと、終わったね。一日だけズル休みをしたので、皆勤とはいかなかった。まあ、よく続いたもんだ。
 7月10日、福祉住環境コーディネーター2級の試験があった。所要時間は、2時間だったが、わりと早く書き込めた。問題自体は、簡単であった、と思う。隣の席の人が他の人に「常識問題だったわね!」と言っていた。私もそういう風に人に言いたかかったが…。ウム、ムム、ムフ〜ン、なのであった。一応、解答は全部記入しておいたが、正解かどうかは分らない。なにせ、かなり前から「試験!試験!」と言っていたわりには試験勉強をしてこなかったからね。どうも試験勉強とをいうものはまじめにしてきたことがない。それで、合格しようなんて思っているのだから、あつかましいわな。
 7月11日、「精神障害者ホームヘルパー養成特別研修」というのを受けてきた。NPO法人が募集していたチラシを見て知ったものだ。費用が23,000円もしたので、いささか迷ったが、やることにした。しかし、研修の中味は大したことはなかった。埼玉県知事認定の修了書が貰えるということだけか。精神障害者ホームヘルパーというのは、けっこう需要がありそうである。頑張って仕事をしよう。私のような中高年のおじさんに仕事があれば、だが…。どうもおじさんは優しくされないので困ったものである。冷たい風がいつも吹きつけてくる。
 その研修での話の中で聞いたところによると、長期に入院していた障害者が社会復帰するには、いろいろサポートした上でも退院から2年間はかかるということであった。とすると、私なんかはけっこう頑張っているのかもしれないな。自分自身をほめてやろうっと。「甘えるんじゃない!」と言われそう?
 手話講習会も毎週木曜日の夜、続けている。こちらも面白く、楽しんでやっている。手話を学び始めたのは、獄中に居たときからで、けっこう前なんだが、なんせいい加減な人間だからまだモノにできないでいる。しかし、楽しい。楽しいものはどんどんやってみる。そういうものは、けっこう身につくものだ。
 そうそう、最近、雑誌のインタビューを受けた。6月中に1本、7月15日に1本。6月中に受けた雑誌のインタビューは、エロい雑誌のものだった。ミリオン出版の[KEITAI BANDITS スペシャル!Vol.4」(7月19日発売)。私は、初めて見ました!ひえ〜ッ!なんて、エロいんだッ!今は、こんなのが出ているんだ?オ・ド・ロ・キ!私って、うぶなのかしらん?週刊現代のグラビアでおたついている場合じゃないね。私のことをスケベだと誤解している人が多そうだから、この場で明らかにしておくと、私はそれほどスケベではな〜い。今もって私は、アダルトビデオと言うものを見たことがありませ〜ん。アダルトビデオというものを寿命が尽きる前に一度見てみたいと思うので、アダルトビデオのコレクターとして名高い福岡の山崎君に借りようかと思っている。頼むぜよ!このエロい雑誌を獄中にでも差し入れようかと思って、見本誌を貰ったのだが、なかを覗いて見て、これは刺激が強すぎるから“やめておこう”と考えなおしたぜよ。トシに見せて、ボケてきたという頭を刺激してもいいけれど、刺激を与えすぎて脳梗塞やくも膜下出血でいっちまわれても困るもんね。堅物(本当は、むっつりスケベ?)の将司になんかに見せた時にゃあ、私は顰蹙をかってしまうかもしれない。やめておこう。インタビュー記事だけをコピーして差し入れるだけにしよう…、そう思う私であった。「ゲリラ戦争研究」という4ページほどの特集だ。この4ページ以外は全てエロい写真が満載ちゅうもの。矢部史郎氏、渡邊修孝氏のインタビューもある。けっこうまじめに特集してくれているのでよい。果たして、エロい写真目当ての読者がどの程度読んでくれるか、それが問題だ。私の「マスコミ初インタビュー」がこの雑誌になったということは、きわめて象徴的なのかもしれない。そうか、私はやっぱりスケベなのだ。以前から、そうではないかと自分でも思っていたし、他人からもそう指摘されてもいたのだが、ここでようやくハッキリしたみたい。私は、スケベです。
 もう1本のインタビューは、『創』という月刊誌のものだった。こちらは、漫画家の山本直樹氏がインタビューマンガとでもいうような記事に仕上げてくれるようだ。こちらも面白そうなので、お楽しみに!
私は、これまでマスコミ関係とのお付き合いは、極力避けてきた。マスコミに私の名前が出ると、家族への風当たりが強くなって、何度も転居をしてきている。そんなこともあって、マスコミ関係との接触は避けてきた。
 しかし、もうそろそろいいかな、と思い始めている。それは、私自身のリハビリがかなり進んできているという事の表れでもあろうか。2003年6月に出獄した時点では、全くの浦島太郎状態だった。オートマ化された社会に適応することはアナクローアナログ人間には、ちょっと面倒であったが、この頃はなんとかできるようになった。そして、ウンドー関係者とだけであった付き合いが、フツーの人たちとの職場、職業訓練校、地域サークルなどで係わり合うことによって、私自身の「自信」を増幅させていってくれたようだ。目立たないように生きていこうとして、かえってあるがままの自分、良さのある自分まで押さえつけてきてしまったところがあった。それが、自分をウツウツとさせてきていたのかもしれないと思う。押さえつけてきた自己を解放しようと思う。但し、少しづつね。私は、東アジア反日武装戦線のメンバーとして、実際の武装闘争にも関わったわけであり、それ相応の責任があり、それは避けて通ることのできないものだ。獄中にいる仲間達の分まで背負えるかどうか分らないがいつまでも、引っ込み思案では、いかんのだよな。そろそろと歩み始めましょうかね。
 先日、町役場の税務課へ行って、確定申告をしたのだが、控除すべきところをしなかったので、余計な納税をしなければならくなったので、ひぇ〜、と驚いた。国民健康保険が半年で59,000円だぜぇ!所得税も2,600円だぜぇ!失業保険の給付も90日で、今月でおしまい。それも月に10万円前後だった。ちょっと、それはないよなぁ、と思ったので、控除すべきところを控除してもらうために、役場へ再度行って、訂正して変更してもらった。結果として、所得税の分はなくなったし、国保の分も減額されるようだ。よかった。しかし、獄中者の時は、確定申告のことで悩むこともなかったのになぁ。シャバって、こういうところは面倒くさいな。瑣末なところで、エネルギーを浪費させられてしまう。8月から、バイトをして稼がなければ、東京方面へ出かける交通費さえなくなりそうだ。無人島で暮らしていれば、余り金もかからんだろうなぁ。他人との接触もないが・・・。
 平山まゆみさんが、埼玉県に引っ越してきた。私の家からクルマで30分ほどのところで、まぁ、「近所」と言ってもいいところである。そのうち歓迎会をしてあげましょ。この近辺もこれから活性化させていかなければならない。東京中心の発想を変えて、茨城ー埼玉を軸に地域から発想し、創造していきたいものである。

SHACO
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