シャコのリハビリ日記(その30)

   黒川牧子が死んだ。
マキちゃんとは、東拘時代に1度だけ面会したことがあった。その時は、まだ幼かった然を抱っこしてやってきてくれた。私には、なんかさわがしいカンジの娘っていう印象として残っていた。二度目に会ったのは、山さんの20周忌の集会の時だ。2次会の酒席で、妙なオバサンが太田昌国さんにからんでいた。太田さんが、「マキちゃん、さあ…」と言ったので、ああ、この人が黒川牧子か、と判かったのだ。初めの印象どおりの相変わらずの彼女とは、それからの付き合いだ。鬱病で病院通いもしていたようだ。しかし、現状からナントカ這い上がろうとはしていた。獄中に居たので、彼女が周囲とどういう関係状態になってしまっていたのか知らなかった。しかし、最近は彼女なりに運動への再びの関わりを考えていたのだろう。太田さんとの話は、反日家族会に加わりたいということだったようだ。私も彼女と、そのことを話したりしている。私は、彼女が反日家族会に加わってもいいと考えていた。家族会といっても、実体はほとんど会報を出す程度だ。家族会に入ったからといって、どうということもないんだが。まきちゃんに家族会に加わってもらうことについては、家族会の何人かの人にも聞いてみた。みんな、「いいよ。」と言ってくれていた。それで、そのうち「明けの星を見上げて通信」誌上に再入会(?)の挨拶でも書いてもらおうと思っていたんだ。彼女は、友人によく言っていたようだ。「私は、反日の家族になって本当に良かったと思っている。」と。私も彼女から直に聞いたことがある。本当に心底からそう思って語られていた。それを聞いていた私などは、「オイオイ、思い入れすぎるんじゃないのかねぇ。」とシニカルに聞いていたっけ。
多分、これからが、彼女が再起して戦い始める時だったんだろうと思う。どのように彼女が変わっていくのかを見るのが楽しみでもあったんだが…。残念だ。
 話は、グッとくだけて変わるが……。
「英語ができないと人間ではないのか?」と私は言いたい。わたしは英語が嫌いなのだ。中学校に通っていた時に、ポケットに手を入れて教室に入ってきたというだけで英語の教師に出欠簿のヘリでバコ〜ンと叩かれて以来、私の頭に英語は入らなくなったのである。教師によって、勉強が嫌いになるという典型的な例であった。私が、英語ではなく、エスペラントを勉強したのは、そこなのである。決して、外国語を勉強することが嫌いなわけではないのだ。英語帝国主義粉砕!なのである。しかし、英語ができないと、外国旅行しても不便だわな。この前、韓国旅行した時にだって、英語ができた方が便利なことが多かった。日本語で話しかけても、フンッ!といったカンジの場合が多かったよな。日本って、やっていることがヒドイからホントのところで相手にされていないのかもしれない。これから、ますますそういうことになるだろう。今秋、韓国で開催されることになっている「こころとからだの自然治癒力増進」の国際会議に、私は参加しようと思っているのだ。実は、この会議は本当は、飲尿療法世界大会と言った方が良いものなのである。飲尿療法世界大会と言うと聞こえが悪いからってわけではなかろうが、前述した名称になった。私も実行委の準備会には、ちょっと顔を出して話を聞いた。面白そうなので行きたいな、と思っている。多分、行くと思う。なんせ、飲尿療法である。オシッコを飲み続けて20年(!)の私が参加しないわけがない。岩の上にも三年、オシッコの上にも二十年である。必ず、何か蓄積があるはずである。しかし、「国際」と銘うっている以上、アチコチの国から人がやって来るわけで、そうなると日本語だけでは話もできない。こりゃあ、困った。何とかせねばと、近くにいる外国人相手に簡単な英会話を喋っているところだ。身ぶりもまじえれば、ナントカこちらの意志はある程度は通じるようだ。単語を知らないと圧倒的にダメだな。とにかく、これからは単語を暗記せんとダメみたい。相手にこちらの意志が伝わらないということは、ひどくもどかしいものである。
多分、このリハビリ日記がみんなに読んでもらえる時には、私も今の出稼ぎ仕事から解放されていることだろう。フーテンの寅さんも、時どき帰って行けるオイちゃんの家があった。私もそろそろ「オイちゃんの家」に帰りたくなった今日此の頃である。もう美人も見飽きてきたぜよ。見るだけってのは、本当につまらんわ。しかし、日本じゃ、見るだけでもセクハラ野郎と言われちゃうな、きっと。気をつけよう!美人を見るときゃ、右見て左見て、確かめて!ここで培われてしまったおスケベなおメメを去勢しなければならない現実が、目前の危機。
 福祉住環境コーディネーターの試験が7月にあるのだが、どうしようか迷っているところだ。なにせお勉強をまるっきりしておらんのだ。あと1ヶ月あれば、ナントカ大丈夫かしらん?去年は、わずかの点数で落ちてしまった。ま、わずかな点数で落ちる方が悪いのだがね。満点取ればいいのだから。しかし、満点取れるほど、暗記力は良くないしな。それが問題だ。要するに私自身が問題なのよ。困った問題人だこと。この間、とった資格は、あまり就職に役立たないようなものばかりだなぁ。ヘルパー2級、精神障害者ヘルパー、フォークリフト、危険物乙種と公の資格は危険物くらいだ。あとは、受講修了書。これでは、アカン。……とは言え、私ももう当年とって53歳である。今からお勉強して国家資格をとるなんてのは、ちょっとキツイ。ここは、現場で働くことによって、知識と技術を積んでいくしかないかな。中山広子ちゃんに見習って、福祉への道を突き進むか。福祉労働者(特に、現場での介護、介助に従事している)というのは、最近では「下層労働者」化してきているんではないの?……とすると、昔から、私が関っていた運動領域とそう隔たりはないわけだ。それなら、やっていくのも面白いかもしれない。しかし、早くせんと私自身が介護される方が先になるかもしれない。エライコッチャ!半日介護せんせん!なんて言われたりして……ナンノコッチャ?コリャ、いかん。古川の智子さんのダジャレッ気がうつっちまったい!
……お後がよろしいようで…。

SHACO
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